待望のGPz900R用登場!走りを外観を進化させるGストライカースイングアーム
取材協力/ギルドデザイン  取材・撮影・文/木村 圭吾  構成/バイクブロス・マガジンズ編集部
掲載日/2016年11月22日

リア周りをスッキリとした印象にするフェンダーレスキットは、バイクのカスタムでは比較的早い段階で組まれることが多いパーツのひとつ。ギルドデザインからリリースされている製品は、ベース車両とのバランスやマッチングを考慮したデザインとなっており、さらに求められる機能性の高さが特筆すべき点ともなっている。

FEATURE

アルミ削り出しだからこそ得られる
こだわりのスタイルと機能性の両立

アルミをメインとした削り物や溶接を得意とするパーツメーカーであるギルドデザイン。それを活かして作られたのが、ストライカーとのコラボブランドとして展開している『Gストライカー スイングアーム』だ。

スイングアームは車体のリア周りを保持し、操安性に大きな影響を与える重要なパーツであり、高い精度が求められるのは言うまでも無い。アルミを削り出して作られた部品と、曲げ加工が施されたアルミ角パイプが溶接によって結合されて主要部分が構成されている。と記すと簡単に聞こえるかもしれないが、やっかいなことに溶接工程で熱が加わると歪みが生じてしまうのである。そのため、どのくらい歪むか? を計算しつつ作業が進められ、さらに完成後の冷えた状態で寸法をチェックし、その段階で必要に応じて修正も施される。ギルドデザインが積み重ねて保っているノウハウが随所に投入された逸品であり、リリース以来高い支持も受けている。

また、ホンダ・モンキーをはじめとしたミニ系に向けては『Gcraft』のブランドでカスタムパーツを多数展開しており、オリジナルのアルミフレームのような大物までラインナップされ、多くのファンに支持されている。さらに、iPhoneを筆頭にスマートフォン用のアルミ削り出しカバーの先駆け的な存在でもあり『ギルドデザイン』の名前は、信頼のブランドとしてバイクユーザーのみならず、広く知られている。

「自分たちが買ってまで欲しい、魅力的な商品を作る、それがオリジナルパーツを企画する際の共通した基本的な思いですね」とギルドデザインで設計など開発部門を担当する篠原大輔さん。

「当社の強みは、アルマイトのような表面処理を除いて社内で一貫して作り上げることが出来ることです。デザイン起こしから設計、試作、量産という過程を経てユーザーの皆様に製品が届きます。オリジナルパーツに関しては、商品企画からスタートし、それには車輌のユーザーの方々が欲している物は何か? も考えています。川で言えば源流から海に注ぐ河口までがひとつの流れになっているような感じですね」

「社名がギルドデザインですから、製品のデザインには妥協したくない。設計の前に社内のデザイナーが、スケッチを何枚も何枚も紙に描きます。重要視しているのは、車体とのマッチングです。実際に取り付けた時に違和感無く、そして格好良くなければなりません。それを検討するのが試作段階ですが、車体とのバランスを見るのはもちろん、取り付け方法などに不具合は無いかなどを検証します。そこで何か問題が見つかれば修正を加えます。それは些細なことでもで、それができるのが社内一貫製造の強みとも言えるでしょうね」

ギルドデザインは、Gストライカー スイングアームやステムキットなど、見た目の迫力を増すと共に走りの質を高める機能パーツをリリースしているメーカーだ。そんな同社が手掛けたフェンダーレスキットならば、その期待値は高まるというもの。

「もっとギルドデザインパーツを幅広い方々に楽しんでもらいたいとの思いから、フェンダーレスキットをリリースしました。既にステムキットをご愛用いただいているカスタム車のオーナーの方から、初めてバイクを手に入れたビギナーの方まで、どちらも満足していただける自信作になっています。もちろん、リアフェンダーが無くなってスッキリするだけではありません。車体とのマッチングには検討を重ねましたし、フェンダーレスキットに求められる機能性も確保しています。

例えば、ナンバープレートの角度は45°に設定し、ナンバー灯、リフレクターも車検対応品にしていますから、車検も問題が無い。また高い剛性でナンバー自体の振動も極めて低く抑えている、などです。見れば絶対に装着したくなる、そんなフェンダーレスキットです。そして実際に装着して、愛車のスタイルアップを果たして、見るたびに“カッコいいなぁ”と思っていただけたら、開発者としては嬉しいですね」

PICKUP PRODUCTS

車検に対応
キーシリンダーカバーもそのまま使用可能

ギルドデザインのMT-09用フェンダーレスキットを見てみよう。スタイルに大きく影響を与えるパーツのため、車体とのマッチングやバランスに留意して開発されて、違和感なくノーマルとは異なったルックスを得ることができる。主要な部品は得意分野であるアルミ削り出しで構成されており、その質感の高さも大きなポイント。また、剛性が高いため振動がナンバープレートに伝わり難く、クラックの発生は皆無に等しい。

装着にあたっては、MT-09のみ小加工が必要だが、それ以外の車種は車体側の加工が不要なボルトオンで、ルックスの向上のみならず、フェンダーレスキットとして要求される機能も余すこと無く組み込まれている。MT-09以外にも、ヤマハ・R25/MT25用、カワサキ・ゼファー1100、ZRX1200 DAEG用が製品化されており、今後はホンダ・CBR250、カワサキ・ニンジャ250SL用など、ラインナップの拡充が予定されている。

ギルドデザイン製フェンダーレスキットが装着されたヤマハMT-09のサイドビュー。この車両では、ノーマルよりも長めで泥跳ねなどの軽減にもなるストライカーのエアロデザインカーボンリアフェンダーもインストール。

真後ろから見ると、フェンダーレスキットによってナンバープレートやウインカーなどが、やや上方へ移動しているのがわかる。

ややローアングルから見てもナンバープレートはしっかりと確認出来る角度に設定されている。

リア周りはスッキリとした印象になったが、車両全体としてのバランスは巧みにキープされている。

ナンバープレートの取り付け角度は45°の設定で車検にも問題なく対応。

左右のウインカーはノーマルが使えるため、新たに用意する必要はない。リフレクターもキットに付属している。

スタイリングに影響しないように、小ぶりの専用ナンバー灯も付属。LEDを使用し、照射角が広く明るいLEDを採用し、夜間でのナンバーの視認性を上げている。

MT-09はタンデムシートの裏側にシートを取り外すためのキーシリンダーとカバーがあるが、そのゴムカバーも外すことなく装着可能な仕様になっている。

MT-09用フェンダーレスキットの単体。強度や剛性に配慮しながら、各部に肉抜き加工が施されている。

連結プレートと呼ばれる構造体(画像のシルバーの部分)は、前方上から見ると「ハの字」になっている。それが可能なのもアルミ削り出しならではであり、この形状が高い剛性を生み出している。

連結プレート部分のカラーは、シルバーの他に、ブラックとゴールドが用意されている。

BRAND INFORMATION

住所/〒519-0212 三重県亀山市能褒野町13-2
電話/0595-85-3608
削り出しパーツから溶接ものまで、アルミの加工なら何でも得意とする技術者集団。性能の高さはもちろんのこと、優れた品質とデザインセンスにも定評がある。ビッグバイク、ミニバイクといったジャンルやカテゴリーを問わず、バイクの車体周りカスタムパーツの総合メーカー。

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