ユーザーの希望を叶える新提案美しい織り目のドライカーボンシリーズにカラーカーボンモデルが満を持して登場
取材協力/CarbonySquish Aria 取材・文/motortoon 写真/若林 浩志 構成/バイクブロス・マガジンズ編集部掲載日/2014年10月29日

高品質で低価格、そして多彩なラインナップのカーボンパーツを提供するカーボニー。ウエットカーボンではなく、本物のドライカーボンにこだわったこの新進気鋭のパーツブランドから、新たにカラーカーボンが登場した。その特長やこだわりなどを代表の中原 史登さんに伺った。

 

平織りは交互に編まれており、均一なパターンが特長。それに対して綾織りは、一つ飛ばしに織ることで、くっきりとしたラインが特長になる。ウエットカーボンの場合では平織りのほうが強度が出るが、ドライカーボンであれば強度的な差は、ほぼないという。また、ウエットカーボンでは織りがよれやすいことから、綾織りが高価格になりがちだが、カーボニーのドライカーボンでは同一価格に設定されている。

一人一人の個性に合った
理想のバイクを作り上げてほしい

「これまでの弊社のカーボンパーツでは、綾織りのツヤ有りとツヤ消し、そして平織りのツヤ有り、ツヤ消しと四種類のパターンをお選びいただいていたんですが、さらにカラーカーボンという選択肢を展開しました。弊社のスタンスとして、“お客さま自身のバイクに、もっとも似合うカーボンの仕上がりを目指す” という考えを持っています。豊富な対応車種、カーボンのバリエーションの多さ、そして受注生産の要素により、“オーナーの希望を反映させた世界に一台だけのバイクを作るお手伝い” ができればということですね。そうした意味でカラーカーボンの登場でこれまで以上に選択肢が増え、例えば場所ごとにカラーカーボンと通常のカーボンを組み合わせるなど、ご自身の理想のスタイルを実現していただけたらと考えています。現在はレッドカーボンの綾織り(ツヤ有り or ツヤ消し)をご提供していますが、他のカラーカーボンの開発も行っており、今後はさらにラインナップを増やしていく予定です。まだ開発中ですので、発売時期などについてはお問い合わせいただければと思います」

 

多彩なラインナップやリーズナブルな価格設定はもちろん、中でも特にこだわっているのは織り目の美しさだという。ドライカーボンへのこだわりもそんな想いから必然的に生まれたものだと語る。

 

「織り目の綺麗さについては、特にこだわっています。平織りはさほどでもないんですが、綾織りのカーボンというのは非常にばらけやすく、織り目がつぶれやすい。そこで弊社では、一般的なウエットカーボンではなくドライカーボンを選ぶことで綺麗なカーボン繊維の目を出しています。またドライカーボンならではのメリット=軽さを強く感じられるものとしています。目の綺麗さにこだわった結果、お客さまから『カーボンプリントじゃないの?』って言われることもありますね(笑)。カーボンっていうとどうしても黒のイメージが強くて。そのため、自分のバイクには合わないと考えていた方もいらっしゃると思うんですが、カラーカーボンの登場によってそうしたお客さまにも見ていただければうれしいですね」

 

Carbony(株式会社 Lafs)
代表
中原 史登さん

ユーザーの満足度を第一に考えた商品展開には、中原さん自身がユーザーとしてさまざまなカスタムを楽しんできた経験から生まれてきているという。

 

「僕自身、学生時代から YZF-R1 に乗っていたんです。当時、関西の YZF-R オーナーグループの代表みたいなことをやって、全国ミーティングを開催するなどしているうちに、他の人に負けないカスタムをしたいという想いが強くなりまして。国内外のいろいろなパーツを集めたものの、綾織りのカーボンメーターフレームだけがどうしても見つからない。そうして探していたことからきっかけがあり、自分自身の経験を踏まえ、ユーザーにとってのバイクライフの充実を念頭に置いて、低価格で高品質な、そして多彩な商品展開を持つカーボンメーカーを立ち上げようと現在に至っています」

 

現在では、インターネットでの自社オンラインショップ、各種ネットショップ、そして協力店や量販店でのオーダー受付を中心に行っており、自社のショールームや販売店舗をあえて持ってはいない。その展開により、これまでの方式以上にコストを下げ、よりユーザーにとって求めやすい商品設計を行っている。

 

「店舗を持たないことでコストを抑え、低価格で提供していくという考えがありました。また受注生産により在庫を抑えてコストを下げ、お求めやすい価格を実現しています。装着用のステー類なども、もちろん弊社で用意して付属させることは簡単なんですが、それでは価格上昇につながってしまう。純正交換タイプとし、ノーマルのステー類をそのまま利用しますので、そこも低価格を実現する要素になっています。私自身、学生のころにはバイクパーツの金額的な面で悩むことがありました。でも自分なりのオリジナリティを出したい気持ちは強い。そう考えたときにできるだけコストを下げるように、ほんとに安いなと思われたい。そのような想いから、可能な限りコストを下げて提供させていただいております。また、現在 80 車種 500 種類以上のラインナップを展開しているんですが、商品の充実には常に力を入れています。特に最新車種については、モニターの募集なども考えています。詳しくは、弊社 WEB サイトなどでお問い合わせいただければと思います」

 

YZF-R1 オーナー
森 孝浩さん

こんなに目の綺麗なカーボンは初めて見ました
優越感や満足感に浸れます

「本当に、カーボンの目がものすごく綺麗。こんなに綺麗なのは初めて見ました。量販店とかで他社製のカーボンパーツを見るんですけど、やっぱりそのカーボンの目がずれていたりするんですよ。『俺のバイクのほうが綺麗だ』と満足しています。優越感に浸れますね(笑)」

 

バイク歴はおよそ8年。初めてのバイクだった 2005 年式の YZF-R1 から、ハヤブサ、ZX-10R、BMW、ドゥカティとさまざまなバイクを経由して、再び YZF-R1 に乗り始めたという森 孝浩さん。

 

「いろいろ乗りましたが、最初の R1 に思い入れがあったので、あらためて R1 に。ヤマハってデザインにこだわっていてすごく好きなんですよ。走行性能だけじゃなくて造形美というか、機能美という部分ですね。カーボニーさんとのお付き合いは、この R1 からなんです。外装を交換することになって、それまでは白/赤の US カラーだったんですが、最初に乗っていた赤の R1 への思い入れから色を変えたいな、と。カーボンはレーシーで高級パーツというイメージがあったことと、他の人との違いや個性を出したいという部分ですね。そう考えていたらアッパーカウルだけとか、部分的に変えてもどうも納得いかなくて。どうせならやっぱりフルカーボンにしたいな、ということでなるべくリーズナブルなカーボンパーツを探すようになりました。

 

そんな風に思っていたときに、バイクブロスのカーボニーさんの記事で、赤いカーボン外装のバイクを見たんです。「カーボンでも赤があるじゃないか!」と、それを見てすぐに問い合わせしたのがきっかけですね。トータルの金額で見ても、純正の樹脂外装とほぼ変わらないか、安いくらいでフルカーボンにできました。質感や目の均等さ、美しさがユーザーとしてイチオシですね。装着もポン付けでいい感じにつけることができて大満足です。ただ、カーボンパーツって中毒性があるみたいで、次々とカーボンにしたくなるのがうれしい悩みですね(笑)」

 

グロス、マット、そしてカラーカーボン
多彩な素材を生かして作り上げられた YZF-R1

カーボンによる印象の変化は非常に大きいが、それだけにパーツだけを見てもイメージがわきにくい部分もあるだろう。新登場のカラーカーボンだけでなく、既存のカーボンも組み合わせて作り上げられた YZF-R1、そして黒カーボンを基準として、こだわり抜いて作り上げられたもう一台の YZF-R1 から、実際に装着されたカーボニーの高品質カーボンパーツを紹介していこう。

 

  • カラーカーボンをふんだんに使うことで、レーシーでありながらも上品で高品質な印象を作り上げた YZF-R1。オーナーの森さんの思い入れにより、赤を強く出しながらも、要所要所を黒のカーボンで引き締め、質感だけでなく落ち着きのあるデザインを実現している。

  • アッパーカウルの下部、そしてカウルインナーには、マットの黒カーボンを使い、アクセントにしている。こうした細かいパーツについては、純正パーツも比較的低価格なため、あえてカラーカーボンを使わないことで価格の上昇を避けることもできる。

  • サイドカウルにはカラーカーボンを用い、さらにトリム部分にはグロスの黒カーボンを組み合わせている。印象の強いデザインだけに、くどくならないように配慮。またブラックのステッカーでのワンポイントも効いている。

  • フレームとタンクの間にはマットの黒カーボン。マットならではのレーシーなイメージをうまく取り入れた。カラーカーボンとの相性ももちろん良好。カーボンの立体感により、想像以上にメリハリの効いた飽きの来ない印象を与えてくれる。

  • シートカウルはカラーカーボンとし、パンチングパターンに黄色ステッチを組み合わせたシートをマッチング。鋭角的な形状でありながらも、綾織りの目に一切の破綻がなく美しくつながっているのがわかるだろう。

  • シートカウルはアッパーとロアーのセットで販売され、ここもカラーカーボンで仕上げられる。アクラポヴィッチのカーボンサイレンサーとの組み合わせも効果的。SS 系のエッジの効いたシートカウルでは、カーボンの与える印象も大きく、有効な手法と言える。

  • タンクのフロント部分をカラーカーボンとしている。視界に入る部分だけに効果は大きい。森さんの車両ではタンク自体もカーボン仕様になっているが、あえてここだけはペイントなどで個性を出すのもおもしろいだろう。

  • ラジエターリザーバータンクカバーには、マットの黒カーボンをチョイス。ワンポイントとして取り入れやすいパーツだけに、カーボンパーツ導入の第一歩としても手を出しやすい部分だろう。

  • 黒のカーボンに徹底的にこだわって作り上げられた YZF-R1。代表の中原さんが所有する一台で、このバイクからカーボニーの歴史が始まったとも言える。すべてを綾織りで構成することで、遠目からでもカーボンらしさのあるスパルタンな仕上がり。

  • 複雑な曲面を描くアッパーカウルでも美しい織り目を構成する。また、純正交換品ということで、純正対応の社外スクリーンが装着できることもポイント。カーボニーは、カーボンスクリーンもラインナップしている。

  • アンダーカウルはグロスの黒カーボン。この商品に限らず、カウルごとに販売されているので、例えばアンダーカウルはマットで、サイドカウルはグロスといった組み合わせも可能。もちろん織り方もパーツごとに選択可能だ。

  • ハンドルバーエンドもこだわりのカーボン仕様。細部にまでこだわることで、隙のない印象を作り上げている。また、ラムエアダクト部分なども一通りカーボンパーツが採用されている。

  • スライダーにもカーボンを奢る。カーボニーではこうした細かい部分への素材として、3D カーボンシートなども展開。黒、白、シルバー、クリア、ネオブラックや、見る角度で色の変わるカメレオンカラーなど、多彩なラインナップを販売する。

  • エンジン以外のほぼすべてをカーボンで統一。これだけ大きな面積に使用されながらも、綾織りカーボンの目が綺麗に揃っているのがわかるだろう。ウエットカーボンで仕上げられたクラッチカバーと比較するとそのすごさも伝わるはず。

  • フロントフェンダーも、カーボンにする効果の大きいパーツ。この車両は、スリックタイヤを履くなど、スパルタンな仕様だが、そうしたパーツチョイスであってもカーボンの質感が負けずに受け止めてくれる。

  • 同社より販売されているカーボン素材の DIY カーボンを使って作り上げられたバックステップ。0.3mm 厚から 10mm 厚までラインナップされており、自分だけのカーボンパーツを作り上げることが可能。

  • 曲面を主体に構成されたカーボンジェネレーターカバー。比較的小さな部品ではあるが、その薄さと仕上がりの良さはドライカーボンならではのもの。

  • 同社の別ブランド、カーボニーライフではカーボンリングやカードケース、iPhone カバーやバインダーなどのアイテムを展開。遊び心のある高品質な大人向けのアイテムをラインナップしている。

Carbony 取扱店一覧

  • カフェ&バー ONE CAFE
    奈良県
    生駒郡斑鳩町三井103-1
    電話/0745-75-3678
  • Favorite Factory
    大阪府
    豊中市清風荘1-15-6
    電話/06-4866-6000
  • Squish Aria
    大阪府
    東大阪市水走3-9-34
    電話/072-965-6505
  • WITH ME
    東京都
    足立区鹿浜7-11-3
    電話/03-5838-7397
  • NRS
    三重県
    伊賀市上野茅町2674-2
    電話/0595-24-6695

 

BRAND INFORMATION

Carbony(株式会社 Lafs)

2012年12月に設立された新進パーツブランド。ドライカーボンにこだわったカーボニーだけでなく、カーボニーライフやカーボニー DIY など、さまざまなブランド展開を行っている。オンラインショップでのオーダーはもちろん、販売協力店やナップス、ライコランドなどの量販店での注文も可能だ。

住所/奈良県生駒郡斑鳩町三井103-2 2F
定休日/日曜・月曜・祝日
営業/11:00~19:00
電話/0745-51-1422
Facebook / Twitter

SPECIAL THANKS

Squish Aria

ガレージカフェという名の通り、レンタルガレージなどのサービスも充実したライダーズカフェ。また、パーツや車両販売、カスタムなども受け付けるなど、ただのカフェではなく、バイクライフをサポートしてくれるショップと言える。

住所/大阪府東大阪市水走3-9-34
定休/木曜
営業/18:00~26:00
電話/072-965-6505