取材協力/ビームス  取材・撮影・文/木村 圭吾  構成/バイクブロス・マガジンズ編集部
掲載日/2013年8月23日
ツアラーに向けたカスタムマフラーの提案が、ビームスの 『ツーリストエヴォ』 シリーズだ。極端なデザイン性重視でも、驚くほどのパワーを重視するでもない。実際に乗ってどうなのか? 使ってどうなのか? に重点を置き、開発されているのだ。

ツーリングユースをメインに開発された
大人のカスタムマフラーシリーズ

レースで培ったノウハウを惜しみなく注ぎ込んだマフラーを市場に送り出しているビームス。構成される各パーツの精度を高めることで生産工程を効率化しており、その結果として、高品質でありながらもリーズナブルな価格でユーザーに提供している。そこがビームス製品の特筆すべき点だ。

その新たなラインナップに加えられたのが 『ツーリストエヴォ』 シリーズだ。その名の通りツーリング用途をメインとするツアラーに向けたマフラーであり、それに要求される “性能” を高い次元で得ているのである。

ツアラー向けの製品として、第1に留意されたのが “音” だ。音量規制値をクリアして政府認証を取得、車検対応とされているのは当然として、奏でられる “音質” にも重点が置かれている。それはライダーに不快感を与えない、心地良い音となるよう設計されており、例えばツインエンジン向けのモデルでは、スムーズな繋がりでマイルドなフィーリングが得られ、それでいてツインらしい鼓動感は無くさないようにと、いわば相反する要求を両立させているのだ。

ツーリストエヴォシリーズのパワー特性としては、ノーマルのパワーカーブをそのまま上に平行移動させた感じだ。スーパースポーツ系のピークパワー重視ではなく、ツーリングでの常用域での扱い易さに主眼が置かれている。開発段階ではシャシーダイナモも駆使されているが、そこからのデータだけでは解らない部分が多々あったというのも、ツアラー向けマフラーならではと言えるかもしれない。500 回転の差で気持ちよく走れたり、違和感を覚えたりといった具合で、ライダーの感覚的な部分を把握するため、同社代表の田中氏は、NC700X では 5,000km ほど走り込んで製品の完成度を煮詰めていったとのこと。

出力特性と音、さらに使い勝手も重要なポイントだ。パニアケースやセンタースタンドなど、純正オプション用品とのマッチングも考慮されており、それらの装着や使用に関しては、何ら支障は与えていない。またビームスでは、これまでにマフラーの使用環境としては厳しいビッグスクーター向けの製品で多数のノウハウを蓄積しており、それもツーリストエヴォシリーズに投入、応用されている。耐久性も高い製品に仕上げられているのである。

「言うたら “スルメ” みたいなマフラーですね」と田中代表。デザイン重視ではなく、またパワー重視でもない。だから交換した直後は、ノーマルとの違いがあまり感じられない可能性もある。だが、走り込んでみると、ノーマルとの違いが解ってくる。いわばスルメのように “噛めば噛むほど味がでる” マフラー、それがこのツーリストエヴォシリーズなのである。

デザイン性は重視ししていないと言いながらも、ノーマルとは異なる形状や色合いなどでルックスの向上も期待できる。現在はツインエンジン用が中心のラインナップだが、今後は4気筒向けも順次リリース予定だ。なお、ビームスのマフラーには2年間の製品保証が付属。

サイレンサーの容量を十分に確保することで音量規制値をクリア。スリップオンタイプがラインナップの中心で、素材は軽さが特色のチタンとステンレスが用意されている。

サイレンサーの容量を十分に確保することで音量規制値をクリア。スリップオンタイプがラインナップの中心で、素材は軽さが特色のチタンとステンレスが用意されている。

純正オプションとして用意されている、パニアケースなどの使用も想定されたつくり。そのためのクリアランスは確保され、取り付け、取り外しなど、ノーマルと同感覚で可能だ。

純正オプションとして用意されている、パニアケースなどの使用も想定されたつくり。そのためのクリアランスは確保され、取り付け、取り外しなど、ノーマルと同感覚で可能だ。

無くても何とかなるが、あれば荷物の積み下ろしやリア回りのメンテナンスが圧倒的に楽になるセンタースタンド。オプションとして装着されていても、マフラーとの干渉は無い。

無くても何とかなるが、あれば荷物の積み下ろしやリア回りのメンテナンスが圧倒的に楽になるセンタースタンド。オプションとして装着されていても、マフラーとの干渉は無い。

現在のラインナップはサイレンサー部分を交換するスリップオンタイプ。精度が高いので取り付けに苦労することはなく、また交換作業そのものの難易度も低い。

現在のラインナップはサイレンサー部分を交換するスリップオンタイプ。精度が高いので取り付けに苦労することはなく、また交換作業そのものの難易度も低い。

ツーリストエヴォ 製品ラインナップ

※表示はすべて税込価格です

HONDA CRF250L

3万9,900円(ステンレス)
4万4,100円(チタン)

販売価格はコチラ

HONDA NC700X

4万7,250円(ステンレス)
5万4,600円(チタン)

販売価格はコチラ

HONDA インテグラ

4万7,250円(ステンレス)
5万4,600円(チタン)

販売価格はコチラ

HONDA CB1100

5万6,700円(ステンレス)
6万3,000円(チタン)

販売価格はコチラ

BRAND INFO

ビームス

ビームス

住所/大阪府豊中市勝部1-5-25

電話/06-6855-0555

営業時間/10:00~18:00

定休日/土曜日、日曜日、祝祭日

2輪、4輪用のアフターパーツを設計から開発、製造、販売まで、社内で一貫して行っている。開発に必要なシャーシダイナモの他に、工場内にはTIG溶接機が10台、パイプベンダーが4台、CNCマシニングが1台、CNC旋盤が2台、油圧プレス3が台、シャーリングが1台設置されており、3DCADも備えている。

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