LATINO MOTORCYCLE
広島県/ハーレー取扱店

取材協力/LATINO MOTORCYCLE  取材・撮影・文/マツモトカズオ
掲載日/2014年10月31日
広島市内からもほど近い廿日市市にショップを構える『ラティーノ・モーターサイクル』は、その名が示す通り、店内はラテンアメリカの明るく陽気な雰囲気が漂う。最新のツインカムエンジンから旧車まで、幅広く取り扱うカスタムショップだ。

INTERVIEW

ハーレーに造詣深い陽気で明るい店主が創る
広島バイカーズたちのベース基地

広島県の国道2号線沿い、山陽道廿日市インターからほど近い場所にある『ラティーノ・モーターサイクル』は、もともと4輪のディーラーということもあり、店舗は開放的なショールームと広いファクトリー、そして駐車場も完備する。2013年1月にオープンして以来、ハーレーを中心に販売やカスタムを手がけている。ショップを営むのは河井俊昭さん。稼業であったクルマ屋でメカニックとして勤務した後、ハーレーダビッドソン正規販売店で4年半ほどセールススタッフとしてハーレーを学び、ここラティーノをオープンさせた。店名にある“ラティーノ”は、アメリカに住むラテンアメリカ人を示す言葉である。

 

「彼らラテンアメリカの明るくて陽気な感じが好きなんですよ。僕自身が自他共に認める、情熱的と言うか、能天気な性格なんです(笑)。彼らの陽気さとか、そういう明るく楽しいお店にしたいというコンセプトで“ラティーノ”を店の名前にしました。僕自身の性格をショップ名に反映させた感じですね」

広い店内にはバイクのほか、パーツやウェア、ヘルメットなどが陳列され、ところどころにメキシコを象徴するハット、ソンブレロがラテンアメリカンな雰囲気を醸すのに一役買っている。ビリヤード台も置かれ、ウェイティングスペースも広い。

 

共にラティーノを切り盛りするのは、ディーラー勤務当時に知り合ったメカニックの上野さん。河井さんが信頼を寄せる敏腕メカニックだ。年齢こそ離れているが、10年以上の付き合いになる相棒だ。同じ巳年生まれということでラティーノのステッカーには蛇のデザインが施されている。

 

上野さんはディーラーでの豊富な経験から、旧車から最新のツインカムまで手広く整備、カスタムを手がけることが出来る。軽整備からヘヴィなエンジンチューニングまで。それがラティーノの強みでもあるのだ。ショベルのローライダーを愛車とする河井さんは、ライトカスタムはもちろん、チョッパーやバガースタイル等のフルカスタム、そして旧車も得意としている。

お客さんには“楽しく乗れるバイク”を提供したい、という河井さん。店を挙げてのイベントにも積極的で、今年の夏にはBBQを開催。駐車場は70人以上のお客さんで溢れた。ツーリングなどの企画も行っており、また地元のイベントにも積極的に参加している。

 

河井さんの陽気な性格に惹かれてか、客層は20~50代を中心に、上は70代のお客さんも来店する幅広さ。米軍基地が近いこともあってアメリカ人バイカーも来店する。取材時も修理に訪れており、作業完了後に河井さんとがっちりと笑顔で握手を交わす姿が印象的であった。アクセスの良い立地ということもあり、ツーリング前や帰りに寄るバイカーも多い。

 

「ここを所ジョージさんの世田谷ベースのようなスタイルのショップにしていきたいですね。お客さんと一緒に楽しくバイクライフを過ごしていきたいと思っています。決して敷居の高いショップではありませんし、気軽に寄って、用がなくても本を読んだりビリヤードしたり。そういうバイク乗りのベース(基地)になりたいですね。これからもいろいろと楽しいことを考えていきますよ!」

 

これからのラティーノの展開にも大いに期待したい。

PICK UP

絶妙なバランスとパーツチョイスのライトなバガー
初代ツインカム88ロードキングが大変身

ショップオーナー河井さんが全幅の信頼を寄せるメカニックの上野さん。彼が手がけるカスタムはチョッパーからバガースタイルまでじつに幅広く、扱うエンジンも旧車から最新のツインカムまで、どんな車種にも対応する。旧車好きの河井さんと、ディーラー経験が長く新しいエンジンにも深い知識を持つ上野さん。そんなふたりが在籍するショップならではの特徴かもしれない。

 

今回ピックアップするのは、ラティーノが手がけたロードキング・バガー。思わず眼を奪われるのは、ビビッドなブルーにシルバーのフレイムスが描かれたペイントワーク。ド派手になり過ぎない、しかし見る者に強烈なインパクトを残す絶妙な塗装だ。パーツもトータルのバランスや乗りやすさを最優先に考えてチョイスされている。“やり過ぎない”バガースタイルの好例と言えるだろう。

 

ベース車両は1999年のFLHRロードキング。ツインカム88エンジンがデビューした最初の年のモデルだ。インパクトあるそのペイントは名古屋のショップ『グラスルーツ』によるもの。

コントラストの効いたフロントホイールは、『パフォーマンスマシン』製PARAMOUNTの21インチをチョイス。昨今、大口径ホイールをチョイスする傾向にあるバガーシーンだが、乗りやすさを最優先してこのサイズに。キャリパー&ローターはあえて純正を使用。

ハンドルは『ローランド・サンズ』製。乗りやすさを重視し、高過ぎないミディアムなライズ。コントロール系はストック。エッジの効いたミラーとブラックのグリップは『ガッツクローム』製。

キャブレターはパンチある高速クルージングを得るべく『ミクニ』HSRをチョイス。『リベラ』のシンプルなエアクリーナーが車体全体のバランスを保つのに一役買っている。

バガーキットは広島のショップ『BB』オリジナル。マフラーは程よい爆音を奏でてくれる『バンス&ハインズ』製をチョイス。スモークレンズが車体のブルーとのコントラストを生むテール&ウィンカーは『クリヤキン』だ。

このロードキング・バガーの最大の特徴とも言えるフロントカウルは『アレンネス』製。このサイズのカウルでも、高速ツーリング時の走行風を程よくカットしてくれる。快適な走りをサポートしてくれるパーツだ。

ワンオフのストレッチタンク、そして車体にマッチする絶妙な配色とステッチが目を引くシートは、いずれも広島のBBによるもの。ラティーノの兄貴分のようなショップである。

ハーレーが1960年代に5年間だけ生産していたスクーター『Topper』。2ストローク165ccのこの希少車も現在ラティーノで“FOR SALE”中。これほどの美車はなかなかレアである。

2階には21ozジーンズで知られる『アイアンハート』の直営店『IRON HEART THE WORKS HIROSHIMA』になっている。直営店としては西日本唯一の店舗である。ラティーノに来たら、こちらにも是非立ち寄りたいところ。

10お客さんのイメージにあったパーツを提案する上野さん。商談スペースは個室となっており、他のお客さんの眼を気にすることなく思う存分車両探しやカスタムの相談が出来る。

11もともと4輪のディーラーだったため、ファクトリーはなかなかの広さ。リフトも用意されており、様々な修理やカスタムに対応。ここから何台ものカスタム車両が巣立っていった。

12椅子とテーブルが並ぶスペースにビリヤード台が鎮座。休日ともなると、ここでちょっとしたビリヤード大会が始まることもあるという。店主の河井さんが参戦することも。


SHOP INFORMATION

LATINO MOTORCYCLE

住所/広島県廿日市市地御前北1丁目6-3
TEL/0829-20-5880
営業/10:00-19:00
定休/木曜
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