掲載日:2025年08月07日 レトロバイク・グラフティ
イラスト・文/藤原かんいち
80年代の中頃、250㏄の2ストスポーツバイクはヤマハのRZ250、TZR250がポテンシャルも人気もトップを走っていた。他のメーカーは独走を許すな!と新モデルと次々ぶつけてきた。ホンダは初の2スト250㏄スポーツモデルとしてMVX250F、さらにNS250Rをデビューさせたが、ヤマハの牙城を崩すことはできなかった。そんな状況がついに一変。それが1986年に発売されたNSR250Rだった。
ロードレースWGP250でチャンピオンになったワークスマシンNSRのレプリカで、新設計のVバンク角90℃の水冷2スト2気筒エンジンは最大出力45PSを発揮。吸気にクランクケースリードバルブ方式、排気にRCバルブを採用することで、中低速から高速域まで太いトルクを発揮した。さらに乾燥重量は125kgと超軽量。そのスタイリングや性能の高さから人気大爆発、ついにトップランナーTZR250を捉えた。
88年モデルではさらにレベルアップ。コンピューター制御によるPGMキャブレター、異形5角形断面アルミツインチューブフレーム、ラジアルタイヤ採用。加えて、マグネシウムホイールを市販2輪で世界初装備したSPまで登場。レースではNSR250Rじゃなければ勝てないと言われるまでになった。90年型ではカートリッジ式のフロークフォーク、ガルアーム式スイングアームなど、さらに熟成。人気は不動のものになった。
その後も自主規制など受けながらモデルチェンジを繰り返し、96年モデルまで生産された。数々の逸話を残したNSR250R。ホンダが作った伝説のレーサーレプリカとして、いまでも多くライダーの記憶に刻まれている。
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