掲載日:2021年04月16日 レトロバイク・グラフティ
イラスト・文/藤原かんいち
70年代の中頃、ヤマハの原付はバラエティに富んでいた。代表はパワフルな2ストエンジンを載せたスポーツバイク「RD50」、続けて共通エンジンを使ったオフロードバイク「MR50」、同エンジンをベースに中低トルク重視にデチューンしたトライアルモデル「TY50」と続く。
さらに"ミニトレ"の愛称で親しまれたミニオフロードバイク「GT50」、ミニサイズのレジャーバイク「ボビィ」。女性に人気だったファミリーバイク「チャッピィ」、丈夫なビジネスバイクの「YB50」「メイト50」など、今では信じられない充実ぶりだ。
そこへ新メンバーとして加わったのが、当時大人気だったミニトレをベースにして作られたミニサイズのロードモデル「GR50」。ロングタンクにストッパー付きのレーシングシート、コンチネンタルハンドル、ゼッケンプレート風テールカウルなど、他のメーカーにはない、このクラスでは唯一のカフェレーサースタイルバイクだった。
いま見ても、なかなか面白いバイクだと思う。当時はロードスポーツ派ライダーたちのセカンドバイクとしても人気だったというのも頷ける。ちなみに同ボディに排気量80ccのエンジンを載せた「GR80」もあったが、ダブルシートになるとカフェレーサー感がなくなるため、あまり売れなかったらしい。確かに、わかる気がする(笑)。
77年と78年にはカラーリングを変更。これはロングセラーになると思いきや80年には後続モデルもなく、3年でカタログから姿を消してしまった。競争と変化の激しい時代に、太く短く生きたバイクなのである。
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