掲載日:2021年01月08日 レトロバイク・グラフティ
イラスト・文/藤原かんいち
80年代になるとヤマハではパッソルやジョグ、ホンダではタクトやリード、スズキのジェンマなど原付クラスはスクーターが主流になっていった。90年代になるとさらに装備内容を充実させたもの、スピードを追求したモデル、特別な個性を放つモデルなど、種類も豊富になっていった。
そんな時代に、一風変わったスタイルのスクーターが登場した。ホンダのジョーカーである。スクーターなのにスタイルは完全にアメリカン。幅広のティアドロップハンドル。ローポジション&ロングボディ、ゆったりシート、ベーツ型フロントヘッドライト、フロントからリアへと続くセクシーな曲線美などなど。これまでにない世界観を持った、アメリカンテイストのスクーターだった。
ほかにも前後にディッシュタイプのキャストホイール、へッドライトケースやガーニッシュにクロームメッキの採用など、原付とは思えないほど高級感とカスタム感にこだわっていた。ちなみにシート下にハーフサイズのヘルメットが収納できるメットインスペースもあった。
エンジンは空冷2サイクル単気筒49cc。アメリカンテイストの走りを実現するためにスピードよりも低中速域の粘り強さを優先、パワーも抑え目に設定されていた。
ジョーカー50発売の2か月後に排気量89ccでダブルシートのジョーカー90も登場。これからはジョーカーの時代か?!と思ったら、排出ガス規制を受けて翌年生産終了、わずか2年の生涯に。悲しき運命を辿るアメリカンヒーローになってしまった。
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