掲載日:2020年12月18日 レトロバイク・グラフティ
イラスト・文/藤原かんいち
僕がバイクに興味を持ち乗り始めた1982年頃、原付でカッコ良くて速いオフロード車といえばヤマハDT50だった。バイク入門系の原付なのにフルサイズ、そのサイズ感だけで当時の若者は本物に乗っている気分になっていた。
もちろんエンジンもパワフル。乾燥重量75KGの軽量な車体に、当時人気だったRZ50に積んでいた7.2馬力(当時の上限いっぱい)の水冷2スト単気筒、ピストンリードバルブエンジンを積載していた。6速ミッション、フロント19、リア17インチサイズの大径ホイールを採用。さらにクッション性の高い最新のモノクロスサスペンションなど、その装備はまさにモトクロッサー!! ちょっと大げさかな(笑)。でもそれくらい当時のヤマハのテクノロジーが集約、オフロード性能を徹底追及したオフロードモデルであった。
当然のことながら絶対的な支持を受ける人気車種となり、1982年から1997年まで15年間も生産販売され続ける、ロングセラーモデルとなった。ちなみにその15年間、大きなモデルチェンジがほとんどなかったという。それはそれほど完成度の高いバイクであった証でもある。
実は1987年、僕が原付バイクによるオーストラリア一周の計画をしていた際、候補の一台でもあった。結局、デザインがユニークなホンダのモトラで行くことになったのだが、DT50が却下された一番の理由は『原付なのにハイパワーでダートの走破性が高すぎる!』だったことを付け加えておこう(笑)。
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