掲載日:2020年08月21日 レトロバイク・グラフティ
イラスト・文/藤原かんいち
原付バイクが元気だった80年代は、各メーカーが今では信じられないくらい個性的で、遊び心の溢れるバイクを作っていた。そんな時代が生んだ副産物がロードフォックス。知らない人が見たら「ホンダがこんなバイク作っていたの!?」「えっ?これカスタムバイクじゃないの!?」と、驚きの声を上げるだろう。
ホンダは81年から新しいカテゴリーの前1輪・後2輪のスクーター「スリーター」(スイング機構をもち2輪車の軽快性と4輪車の快適性を合わせもつ乗りもの)を開発販売。ストリーム、ジャイロX、ジョイ、ジャストと次々に発表。第5弾として発売されたのがロードフォックスだった。
スリーターだがこれまでの4台より、さらに攻めたスタイルになっている。最初に目を引くのはスリーター初のバイブ構成のパラレルフレーム。さらにアメリカンのように高く手前に引かれたアップハンドル、背もたれの付きシート、タイヤの上に伸びたチャンバータイプマフラー、ワイドな後輪などなど個性の塊だ。とにかく一度見たら忘れられない、常識外れのバイクなのだ。
僕はレトロバイクの絵を描きながら「このバイクで旅をしたらどんな感じかなぁ……」と妄想をするのだが、ロードフォックスで旅している姿を想像すると、夢が無限に膨らむ。アメリカを走ったらハーレー野郎の目を釘付けだし、アフリカを走れば子供たちが大喜びで追いかけてくるだろう。いまの時代が忘れてしまった、夢、喜び、好奇心、ハッピーがたくさん詰まっているのがロードフォックスなのである。
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