掲載日:2019年11月08日 レトロバイク・グラフティ
イラスト・文/藤原かんいち
“原付”とは“原動機付自転車”の略だが、その名前がピッタリくるバイクが1980年代にあった。知っている人は知っている(当たり前か・笑)ホンダのピープルだ。
遠くから見ると自転車にしか見えない。それもスポーティな自転車ではなく、ママチャリ。ところが近づいて見るとクランクの下に小さなエンジンがあり、チェーンステーの下にはマフラー、トップチューブとダウンチューブの間にタンクらしきものが……。徐々に自転車にエンジンが付いたバイクであることが明らかになってくる。
ペダルが付いているため自転車として走れるので、欧州でいうと“モペット”というカテゴリーになるのだが、オシャレ感は驚くほどない(笑)。
実は大昔、ピープルを所有していた時期があり、印象に残っていることがいくつかある。まず走行速度が遅かった。最高速度は18km/h。本気で走っている自転車に簡単に抜かれてしまう。見た目はママチャリなのにヘルメットを被って走っているので、不審者風に見られたり、驚いた顔で二度見されたこともあった。
また最高出力が0.7馬力と非力なため、登り坂が苦手だった。勾配がきつくなるとエンジンを回しながらペダルを漕いで登った。そんな時はいつも、自分がいま自転車に乗っているのか、バイクに乗っているのか、わからなくなった(笑)。
とてもカッコイイとは言えないし、メリットのないバイクだったが、逆にそこが好きだった。いまでは当たり前に走っている電動アシスト自転車の基盤になったようなバイク、ホンダのピープル、ぜひ覚えておいて♪
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