掲載日:2019年10月04日 レトロバイク・グラフティ
イラスト・文/藤原かんいち
嘘のようだが、1980年代はテレビでバイクのCMが良く流れていた。原付が多かったがそれだけバイクが一般的で、売れた時代だったのだと思う。その中に外国人男優が出演するオシャレなCMがあった。それはスズキのジェンマ50。出演していたのはイタリア人俳優のジュリア―ノ・ジェンマで、車名もそこから付けられたという。今回僕が描いたのはリアキャリアが装着されている1982年に登場したジェンマ50 カスタムだ。
ジェンマは50cc、80cc(のち→90ccへ)、125ccの三種類あり、デザインはイタリアンスクーターのベスパによく似ていた。特に個性的なフロントのトレーリングアーム式の片持ちサスペンションはまさにベスパ。日本ではかなり珍しいスクーターだった。
1980年代、高校の同級生が持っていたので一度に借りて運転してみたが、僕のヤマハパッソルに比べて造りがとてもしっかりしていたこと。走り出すと3速オートマチックトランスミッションが不思議な感覚だったことを覚えている。
いま見ると、とても個性的でオモシロイバイクだと思うし、4ストの125ccは走行フィーリングはどうだったのか? 興味があるのだが、あの頃は“速さ=カッコイイ”と思い込んでいたので、正直あまり魅力を感じなかった。
ジュリアーノ・ジェンマ氏は主演したマカロニ・ウエスタン映画の「夕陽の用心棒」が大ヒット。その後の世界的な大スターになった。2013年、残念ながらローマ近郊で運転中に対向車と正面衝突、搬送先の病院で死去。75歳だったという。
2008年、スズキから久しぶりに同名“ジェンマ”という名のバイクが発売されたが、排気量は250ccでデザインも全く違うものだった。
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