掲載日:2025年11月14日 レトロバイク・グラフティ
イラスト・文/藤原かんいち


80年代終盤、250ccの2ストはホンダからNSR250R、スズキはRGV250ガンマとフルカウルのレーサーレプリカが人気を集めていた。ヤマハからはサーキットから飛び出してきたようなTZR250が人気だったが、同時にRZ250の後継車であるRZ250Rも継続でラインナップされていた。
同じ2ストスポーツバイクでもTZRよりも扱いやすく、“バイクらしさ”に重点を置いていたRZ250R、その後継車として登場したのがR1-Zだった。しかし、そのスタイルと中身はこれまでのモデルとは一線を画す、斬新なものだった。
エンジンはハイスペックのTZRがベース、最高出力45PSとハイパワーだが、低中回転域で扱いやすいように変速比を変更。タイヤはTZRから主流となっていた17インチを採用。軽快なハンドリングと高いコントロール性を実現していた。
デザインとして目を引くのが高い剛性と軽量化を実現したトラスフレームで、R1-Zの美しさを際立たせる、特徴のひとつとなっているもう一つがフロントでクロスして右側後方へ2本出しとなっているチャンバーマフラー。さらにカーボン調のサイレンサーなども使っていることから、まるでカスタムバイクのよう。ここまで造形の美しさにこだわったモデルも珍しいと思う。
R1-Zはレプリカからカウルを外しただけのネイキッドではない。速さとモダンさを高次元で融合させた、スタイリッシュなスポーツバイク。ヤマハの2ストスポーツへの熱をヒシヒシと感じる、名車なのである。








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