掲載日:2025年02月20日 レトロバイク・グラフティ
イラスト・文/藤原かんいち
70年代末ごろから始まった空前のバイクブーム。82年には国内出荷台数300万台以上を記録、とにかく80年代はバイクが売れまくった時代だった。レーサーレプリカブームなどもあり、各メーカーから新しいテクノロジーを注ぎ込んだ最新マシンが続々登場。人気の250㏄クラスのスポーツバイクは速さ、ハイメカ、スタイル、新しさ……など、各メーカーがしのぎを削り、販売台数を競い合っていた。
そんなギラギラした時代にヤマハのYD250はひっそりと生まれた。原付クラスではスーパーカブやベンリー、スズキはバーディー、ヤマハにはメイトなどあったが、高速道路が走れるサイズの実用車はまだなかった。そこを狙って作ったのがYD250だった。
とにかく荷物を運んだり、町中を移動したり、通勤に使ったり、どこでも誰でも便利に使える実用性が最優先。エンジンは耐久性があって低燃費、中低速の粘り強さが特徴の4サイクル空冷OHC単気筒。
さらに足つきの良い『低シート』、便利に使える『セル&キックスターター』、静かな『デュアルメガホンマフラー』、砂や泥の付着を防ぐ『チェーンケース』、タンデムシートも着けられる積載性の高い『大型キャリア』を備えるなど、高い耐久性と利便性を兼ね備えたビジネスバイクだった。
その後、シングルシートに大型キャリアのモデルやダブルシートのモデルなども登場したが、このようなビジネスバイクを求めている人は少なかったようで、残念ながら90年代にはカタログ落ちとなってしまった。
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