掲載日:2025年01月10日 レトロバイク・グラフティ
イラスト・文/藤原かんいち
RZ250の爆発的人気によって“2ストのヤマハ”は本領を発揮した。その後、スズキからRG250ガンマ、ホンダからMVX250、NS250F/R、カワサキからKR250など続々登場し、2ストのレプリカブームが巻き起る。ライバル車が出揃ったところで、ヤマハが満を持して投入したのがTZR250。そのスタイルとポテンシャルの高さにファンは熱狂した。
GPワークスマシン“YZR500”市販レーサー“TZ250”を作ったメンバーが同時進行でTZR250を開発。ワークスマシンと同型のアルミ製のデルタボックスフレーム、320mmの大径ディスクブレーキなど、その姿はまさに公道を走るワークスマシン。
エンジンには低速から扱いやすいクランクケースリードバルブ方式を採用。最高出力は自主規制上限の45 PS。ホイールは当時主流の16インチではなく17インチ、リアはリンクサス、車重はフルカウルにも関わらず前モデルのRZ-RRより21kgも軽い126kgを実現。シート高も760mmと低く抑えられていた。バリバリのレーサーレプリカ、一般公道では扱いにくいと思いきや、とても乗りやすかったという。そう“安定した速さ”はイコール“乗りやすさ”の証でもあったのだ。
その後YZR500・GP500と同じマールボロカラーモデル、89年には後方排気エンジンの通称「サンマ(3MA)」が登場。91年にはフルモデルチェンジ、完全新設計V型二気筒エンジンを搭載したTZR250R、プロダクションレースに標準を合わせた限定500台のTZR250R・SPなども販売された。その後もマイナーチェンジを繰り返しながら1995年まで販売を継続。2ストのヤマハを象徴するモデルとなった。
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