掲載日:2024年08月23日 レトロバイク・グラフティ
イラスト・文/藤原かんいち
若者を熱狂させた80年代のレーサーレプリカブームがついに、オフロードバイクにまで飛び火した。1970〜72年にモトクロス世界選手権を3年連続で制覇したスズキのワークスモトクロッサーの『RH』のネームを付けたバイク、RH250が登場したのだ。スタイルやカラーもワークスの雰囲気に近いことから、スズキのファンは沸き立った。
それまではスズキの2ストオフロードといえばハスラーだったが、一気にバージョンアップ。ある意味、RG250ガンマのオフロード版のような存在だった。
水冷2ストシングル、パワーリードバルブのエンジンの最高出力は35PS! これは何と初代ヤマハのRZ250と同スペック。
本格的オフロードスポーツに求められる、性能と特性を追求したエンジンで、低・中速から高速までシャープなレスポンスを実現。さらに優れた加速性と瞬発力など、そのパフォーマンスはモトクロッサー『RH』そのもの。そんなパワーエンジンを軽量なフレームに搭載していたため、性格は超ピッキー。ウイリーしまくりだったらしい(笑)。
もちろん足回りも完璧だった。リアには軽量コンパクトで低重心、路面追従性の高いCMCタイプのフルフローターサスペンション。さらに長時間走行でも高いクッション性を維持するブラッダータイプサブタンクを採用。クラス最高255mmのストロークを持つフロントフォーク、油圧式フロントブレーキなど、オフロード走破性も非常に高かった。
仮面ライダーが乗るバイクのベース車としても使われたRH250、まさに2ストスズキのオフロードを象徴する1台なのである。
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