掲載日:2024年07月12日 レトロバイク・グラフティ
イラスト・文/藤原かんいち
80年代初頭、原付スクーターが市民権を得るようになった。ホンダはコスト面や構造的な問題から2ストのタクトを製作。売上は好調だったが、4ストを本道としているホンダは黙っていられず、1984年ついに4ストのスクーター「スペイシー50」をリリースした。その後80cc、125ccとシリーズ化。その最上級モデルとして登場したのが、今回描いたスペイシー250フリーウェイだ。
低床バックボーンフレームに水冷4スト2バルブSOHC単気筒250ccエンジンを搭載、当時の日本のメーカーとして250ccは最大排気量のスクーターだった。エンジンはゆとりある20PS、低回転から高回転まで使いやすいフラットなトルク特性、リッター50km(カタログ値)の経済性も兼ね備えていた。
ギアはなめらかな走りが楽しめる、ワイドレシオのトルクセンサー付きVマチックを採用。サスペンションはフロントフォークの沈み込みを低減するメカニカル・アンチダイブ機構とトレーリングリンク式を組み合わせたTLADを採用。フロントブレーキには前輪にデュアルピストンキャリパー装着の油圧式ディスクブレーキを装備するなど大型スクーターらしい最新の機能を備えていた。
また、長距離も楽しめる8.6リットルガソリンタンク、大型のリアキャリア、キーロック付きフロントインナーボックスなど、装備もワンランク上の内容になっていた。メットイン機能がないためコンパクト、車重も118kgと軽量のため扱いやすかったという。高速も走れるビックスクーターの時代は、ここから静かに始まった。
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