掲載日:2024年02月22日 レトロバイク・グラフティ
イラスト・文/藤原かんいち
サハラ砂漠を舞台に走る「パリ・ダカール・ラリー」という名のラリーを知っていますか? フランスの首都パリをスタート、アフリカ大陸の砂漠地帯を駆け抜け、セネガルの首都ダカールにゴール。総距離1万キロを超える“世界一過酷なレース”として名を馳せていた。1978年から始まったこのレースは通称「パリダカと呼ばれ、その後も南米、サウジアラビアと舞台を変えながらいまも続いている。
1982年、パリダカで総合優勝を果たしたXL500R改をモチーフに作られたのがXL250Rパリダカール。ラリーバイクのレプリカ版で、通称「パリダカ」と呼ばれていた。ベースとなっているXL250Rは最高出力22ps、6速ミッション、空冷4スト単気筒OHC4バルブエンジンの走破性が高いオフロードバイクで、フロントにエアアシストサスペンション、リアにはモトクロッサーに使われていた「プロリンクサス」を装着している。
そんなXL250Rに、長距離ラリーのパリダカの象徴である、トリコロールカラーの21リットルサイズのビックタンクをセット。一瞬で戦闘的な雰囲気を漂わせるラリーバイクに変貌した。燃費が良いことから、当時は「満タンにしたら東京~青森を無給油で走れちゃうぞ!」と自慢する人もいたとか。
他にも泥跳ねを考慮した大型オーバーフェンダー、たくさん荷物がつめる大型リアキャリア、便利なタンクバックなど、パリダカらしさが満載。パリダカとならどんな悪路でも、いくつもの国境を越えて、遥か彼方まで走って行ける……そんな気持ちにしてくれた。男のロマンをくすぐる、まさにDreams come trueバイクなのである。
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