掲載日:2023年12月08日 レトロバイク・グラフティ
イラスト・文/藤原かんいち
70年代、スズキは2ストのGT750 やGT380、4ストのGS750、GS400など排気量の大きなクラスでは強い支持を得ていたが、250ccクラスに関しては他のメーカーに一歩遅れを取っていた。そんなスズキが80年、250ccスポーツバイクの起死回生の一手としてリリースしたのがGSX250Eだった。スズキの250ccとしては初の4ストモデルで、独自の燃焼室形状を持つTSCCを採用していた。クラス初の4バルブDOHCエンジンを搭載していたことから、注目の的となった。
内容も充実していて、操縦安定性を徹底的に追求したセミダブルクレードルタイプのフレームは400ccのお下がりではなく、専用新設計。フロントのディスクブレーキはGPマシン“RGB500”のテクノロジーを反映した穴あきディスクプレートを装着。冷却効率や雨天時の制動能力を高レベルで実現させていた。
また、ガソリンタンクのスタイル・形状がどことなく“ザリガニ”に似ていることから「ザリ」の愛称で呼ばれるようになった。いまだと「ザリ」ってちょっと微妙な気はするけど……。GSX250Eは軽量コンパクトで速く、さらにデザインもいいと高評価。それまでの実用性優先のスズキのイメージを一新させるモデルとなった。
翌年にはバリエーションとしてトラディショナルスタイルのGSX250T、アメリカンスタイルのGSX250Lが登場。82年には後継モデル、ANDFのフロントフォーク、KATANAシリーズのデザインを踏襲したGSX250E KATANAへと引き継がれていった。ちなみにこのモデルは「ゴキ」と呼ばれたらしいです(笑)。
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