掲載日:2023年10月06日 レトロバイク・グラフティ
イラスト・文/藤原かんいち
70年代の後半、日本の多くの若者たちがアメリカに憧れを抱いていた。その影響は大きく、バイクの世界にも押し寄せてきた。その代表がアメリカンバイクで、77年にチョッパースタイルのスズキ・マメタン50が販売され人気となった。その後1980~83年頃にかけてホンダがCMやGL、ヤマハはXS、スズキはGSなど、様々な排気量の和製アメリカンが続々と生まれていった。
250ccクラスではカワサキが1980年にアメリカンバイクZ250LTDをリリース。ちなみにZ250LTDは空冷OHC単気筒のZ250FS系ベースのモデルと、空冷OHC並列2気筒のZ250FTベースのツインモデルの2種類があり、今回描いたのはフロントがディスクブレーキのツインモデルとなっている。
当時の日本のアメリカンバイクは専用設計されたものはほとんどなく、既存のロードバイクモデルに手を加えたものがほとんどだった。Z250LTDツインも同様で、ベース車にアメリカンの象徴であるティアドロップタンクを装着。さらにプルバックハンドル、段付きシート、ショートマフラーなどによってアメリカンに仕立てていた。また新設計フレームによって750mmという低シート高を実現。加えてリアを小径16インチタイヤにすることで乗り心地も変えている。
しかし、数年後に登場するヤマハのビラーゴやドラッグスター、ホンダのスティードなどに比べるとスタイルも内容もかなり中途半端(笑)。それでも当時の若者たちのアメリカンバイクへの憧れを叶えてくれた1台であることは間違いない。
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