掲載日:2023年09月22日 レトロバイク・グラフティ
イラスト・文/藤原かんいち
1970年の初頭、本格的なトライアル競技が日本でもスタート。そこに合わせてヤマハが市販モデルとして開発したのがTY250。ウィンカーやスピードメーター、バックミラーなどの保安部品を付けて、公道の走行を可能にしたモデルがTY250Jだ。
開発にはトライアル界のトップライダーであるM・アンドリューが参加したことから、初代モデルでありながら完成度は非常に高く、そのままトライラル競技に参加できるほどだったという。
ちなみにDT250ベースの空冷2スト・ピストンリードバルブのシングルエンジンを専用設計の高張力鋼管ダイヤモンドフレームに搭載。セッション用に1〜3速はクロスレシオ、ツーリングを考え4、5速はワイドレシオになっていた。
トライアルマシンとしてその内容はかなりハイレベルだった。マシンを倒してもガソリンが漏れないブリーザーパイプ付き燃料キャップ。クラッチおよびブレーキワイヤーのレバー接続部に防塵・防水用ゴム製ダストカバー。消音効果の高い脱着式のサイレンサー、万が一のためのキルスイッチ、エンジンを守るためのFRP製のエンジンプロテクター。軽量でスリムなボディ、ポジショニングなど、ここまでトライアルを考えたマシンは他になかったことから、トライアラーから高い評価を得た。
その後“ヤマハT Y 250”が全日本トライアルでチャンピオンに輝くと、さらに人気上昇。兄弟分としてTY175、TY125、 TY80、TY50なども登場、日本の第一次トライアルブームの立役者となった。
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