掲載日:2019年07月05日 レトロバイク・グラフティ
イラスト・文/藤原かんいち
1976年に軽快で誰にでも自転車感覚で乗れるホンダのロードパルが大ヒット。それに対抗するようにヤマハが1977年に発売したのがパッソルだ。
ロードパルのテレビCMは女優のソフィアローレンが出演「ラッタッタ♪」が流行語になった。一方、後から登場したパッソルのCMでは日本人女優の八千草薫が登場、「やさしいから好きです♪」の言葉が強いインパクトを残した。バイクのイメージから大きく離れた、庶民的な女優さんがパッソルに跨る姿は印象的で、バイクに乗ったことがない主婦層から大注目されたという。
一番大きな点は両足を揃えて、スカートでも乗れる「ステップスルー」を採用したことかもしれない。振り返ると、いまのスクーターでは当たり前のスタイルだが、当時としてはかなり革新的だったことに気がつく。
パッソルはエンジンや駆動部が外装カバーされているため、チェーンからオイルが飛んでくるなど、衣服が汚れにくい。加えてカラフルなボディカラー、操作が簡単な自動遠心クラッチ、乗りやすい低いシート、軽量コンパクトで取り回しがしやすいなど、誰でも親しみやすい内容にしたことから、多くの女性ユーザーを獲得した。
実は僕が最初に乗ったバイクもパッソル。当時、特にバイクに興味がなかったが、友人から安く譲り受けて乗り始めると、軽快さと機動力が新鮮で一気にバイクにのめり込んだ。簡単に乗れて気軽に楽しめる、バイクの敷居をぐっと低くした。バイク界に対して、また僕にとってもパッソルは大きな存在なのである。
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