掲載日:2023年06月09日 レトロバイク・グラフティ
イラスト・文/藤原かんいち
1969年、スズキがモトクロス世界GPで活躍したワークスマシンのテクノロジーを生かし、一般道路も走れるように改良開発したハスラー。2スト単気筒エンジン、最高出力は18.5PS、最大トルク2.36kg-mを5000rpmで発揮する、低回転高トルクのバイク。当時はモトクロスレースが人気で、シリンダー、キャブレター、マフラー、スプロケットなどの高性能キットパーツも用意されていた。
2年後の1971年、フルモデルチェンジ! 1970年のモトクロス世界GPでチャンピオンを獲得した“RH70”の技術を投入、すべてが新設計のニューハスラーが生まれた。
大きな変化は、何と言っても乾燥重量115kgへ軽量化に成功したこと。ちなみに初代ハスラー250は127kgだったので、12kgも軽くなったことになる。オフロードを走るときに、この軽さは大きなアドバンテージとなる。
さらに空冷2サイクル単気筒エンジンの最高出力は22psにパワーアップ。また、点火方式にPEIを採用することで点火時期調整がいらなくなり、耐久性が向上、過酷な状況下でも点火が安定した。またどのギアポジションでも始動可能なプライマリーキックを採用。これで悪路での突然のエンストも怖くなくなった。
ライバルはヤマハのDT-1。シャープなスタイリングが好みという人からハスラーは大きな支持を得た。ちなみに、“仮面ライダー”の新サイクロン号のベース車、また仮面ライダーV3に出てくる“ライダーマン”のマシンとしても使われていた。実は仮面ライダーと縁の深いバイクでもあるのだ。
愛車を売却して乗換しませんか?
2つの売却方法から選択可能!