林道ツーリングに役立つ実践テクニック

【Vol.17】ヒルクライムの基本をマスターしよう!

掲載日:2010年06月22日 オフロードライテク講座林道ツーリング実践テクニック    

軽いトレールバイク(オフ車)でも、凸凹や傾斜のきつい林道では扱いが困難になることも多々ある。ツーリング先で足下をすくわれないために、ユウタロウ流の実践的な障害物越えをイメージトレーニングしておこう。的確な状況判断と操作のキホンが出来ていれば、体格は関係ない。それが身長165cmのユウタロウ流『チビテク』なのだ。

「上れない」と思ったらフォームとスロットルワークを変えてみる

「ヒルクライムはスタンディングでトライするのが基本です。シッティングだと斜面に合わせた前傾姿勢がとれないんです。わかり易く言うと、斜度がきついときほどバイクの前に乗る。そして抜けやすいフロント荷重を補ってやるんです。もしも座ったままヒルクライムにトライしたら、だんだんとバイクがまくれ上がってくるでしょう。

レースでよく見られるのが頂上付近でまくれ上がって転ぶケースですね。バイクの勢いは登頂出来るほどある。でもライダーが振り落とされてしまう。ライダーの動きがバイクより遅れているんです。

対策としては、頭がハンドルバーの上に来るぐらい前に乗る。そしてヒザを曲げて上半身をグッと沈み込ませる。するとバイクに荷重がかかり、トラクションが得られるので安定します」

とユウタロウ講師。では、スロットルワークはどうすればよいのだろうか。

「ヒルクライムは勢いで上ろうとせず、前輪が斜面にさしかかってトラクションが得やすくなったらアクセルを開けてください。アプローチで勢いをつけるべくスピードを出すと、ヒルクライムに差しかかったころにはバランスを崩していることがあるんです。アプローチは、なるべくバイクを安定させます。勢いよりもバランスを取ってバイクをまっすぐにキープします。そうやってヒルクライム手前で体勢を整える。そうしないと上りの途中でもっとバランスが崩れて転倒してしまうでしょう」。

では、ユウタロウ講師のライディングフォームや、実際に走ったときの路面を細かくみていこう。

前傾&ヒザ入れが基本フォーム 最も重要なのはスロットルの加減

バイクで走っている自分を思い浮かべながら斜面に立ってみる。するとヒザは自然と曲がり、前傾姿勢になるはずだ。これが斜度にあったライディングフォームでもある。バイクの上でも同じフォームを取る。そしてバイクのスピードに乗り遅れない余裕を持つために、やや顔を前へ出す。斜度に合わせた前乗りが基本だ。斜面で腰を引くと、ライダーが遅れてしまうことになり、後ろへ倒れそうになる。これと同じように、ヒルクライム中は腰を引ないこと。

バイクで走っている自分を思い浮かべながら斜面に立ってみる。するとヒザは自然と曲がり、前傾姿勢になるはずだ。これが斜度にあったライディングフォームでもある。バイクの上でも同じフォームを取る。そしてバイクのスピードに乗り遅れない余裕を持つために、やや顔を前へ出す。斜度に合わせた前乗りが基本だ。斜面で腰を引くと、ライダーが遅れてしまうことになり、後ろへ倒れそうになる。これと同じように、ヒルクライム中は腰を引ないこと。

バイクで走っている自分を思い浮かべながら斜面に立ってみる。するとヒザは自然と曲がり、前傾姿勢になるはずだ。これが斜度にあったライディングフォームでもある。バイクの上でも同じフォームを取る。そしてバイクのスピードに乗り遅れない余裕を持つために、やや顔を前へ出す。斜度に合わせた前乗りが基本だ。斜面で腰を引くと、ライダーが遅れてしまうことになり、後ろへ倒れそうになる。これと同じように、ヒルクライム中は腰を引ないこと。

ヒルクライムはアクセルを開け続けていないと失速して転んでしまう。かと言って開け過ぎると後輪が滑って上れない。少な過ぎず、多過ぎず…書くと1行で終わってしまうが、実際は路面コンディションや斜度など、さまざまな要素を元に判断してアクセル開度を調整する。

ヒルクライムはアクセルを開け続けていないと失速して転んでしまう。かと言って開け過ぎると後輪が滑って上れない。少な過ぎず、多過ぎず…書くと1行で終わってしまうが、実際は路面コンディションや斜度など、さまざまな要素を元に判断してアクセル開度を調整する。

まっすぐキープ≦障害物回避 避けるべきポイントの見極めが肝心

石が埋まっているときは、大きさ次第で避ける。もしこぶしサイズよりも大きかったら、フロントタイヤが当たった瞬間に弾かれてバランスを崩してしまうだろう。小石であればラインをまっすぐに取ったときの安定感を優先する。自分が安全に乗り越えられる石の大きさを、緩い斜面で確認してみよう。

埋もれた石

石が埋まっているときは、大きさ次第で避ける。もしこぶしサイズよりも大きかったら、フロントタイヤが当たった瞬間に弾かれてバランスを崩してしまうだろう。小石であればラインをまっすぐに取ったときの安定感を優先する。自分が安全に乗り越えられる石の大きさを、緩い斜面で確認してみよう。

木の根は石よりも小さい場合が多い。だが、その表面は非常に滑る。そのため雨の日や、木の根が進路に対して斜めだったら避けた方が無難だ。木の根の上でフロントタイヤが滑ったらリカバリーしにくい。また後輪も同様にスリップダウンの原因になる。もしも乗り越えた方が走りやすかったら、タイヤが木の根を越える瞬間に抜重する。

濡れた木の根

木の根は石よりも小さい場合が多い。だが、その表面は非常に滑る。そのため雨の日や、木の根が進路に対して斜めだったら避けた方が無難だ。木の根の上でフロントタイヤが滑ったらリカバリーしにくい。また後輪も同様にスリップダウンの原因になる。もしも乗り越えた方が走りやすかったら、タイヤが木の根を越える瞬間に抜重する。

木の根や石を避けることが出来ればアクセルを開け易い

ユウタロウ講師のお手本

①路面を見ると木の根と石があった。これを避けるためにラインを少し左へずらす。

①路面を見ると木の根と石があった。これを避けるためにラインを少し左へずらす。

②前輪がギリギリ木の根を避けるラインを選んだため、斜面に対してバイクが少し寝てしまった。

②前輪がギリギリ木の根を避けるラインを選んだため、斜面に対してバイクが少し寝てしまった。

③バイクを垂直に立て直す。そのために少しアクセルを開けてテールスライドを利用している。

③バイクを垂直に立て直す。そのために少しアクセルを開けてテールスライドを利用している。

④斜度がきつくなってきたので上半身をさらに前へ。同時にヒザを曲げてしっかりとステップを踏み込んで荷重をかけている。

④斜度がきつくなってきたので上半身をさらに前へ。同時にヒザを曲げてしっかりとステップを踏み込んで荷重をかけている。

⑤頂上が見えてきたのでアクセルを緩めるタイミングを見計らう。最後まで油断は禁物だ。

⑤頂上が見えてきたのでアクセルを緩めるタイミングを見計らう。最後まで油断は禁物だ。

上り切れるラインをふたつ以上イメージできると強い

レースでは速く走るために誰もがイージーなラインを選ぶ。するとそのラインが渋滞して逆に走りにくいラインになってしまうことが多い。もしヒルクライムの途中で転倒者が出れば、そのラインは全面的に使えない。練習のときは、他のライダーが上りにくいと思うようなラインをあえて走っておく。そうすることで、本番でライバルに差をつけられるのだ。

レースでは速く走るために誰もがイージーなラインを選ぶ。するとそのラインが渋滞して逆に走りにくいラインになってしまうことが多い。もしヒルクライムの途中で転倒者が出れば、そのラインは全面的に使えない。練習のときは、他のライダーが上りにくいと思うようなラインをあえて走っておく。そうすることで、本番でライバルに差をつけられるのだ。

登頂付近でラインを変えられると有利な路面を選べるようになる

あえて走り易いラインができた部分を避け、さらに「ワダチ斬りライン」で「ノーマルライン」の反対側へ渡る。これだけラインの選択肢があれば、レースでも転倒しているライダーを避けて上ることが出来るのだ。

内山 裕太郎
インストラクター

1978年12月、静岡県生まれ。7歳のときに父親の影響でバイクに乗りはじめ、15歳でエンデューロレースに初出場。以後、大きなレースに参戦を重ねて、02年には西日本WONETシリーズを制した。また04年には東日本シリーズSERIES初代シリーズチャンピオンに輝く。ISDEチリ大会のトロフィーチーム(日本代表)に選ばれ日本チームは12位。個人ではクラス34位という成績を残した。

こちらの記事もおすすめです

この記事に関連するキーワード

新着記事

タグで検索