「2023みちのくアドベンチャーラリー」レポート!BMWモトラッドのR1250GSで東北のロングダートを大満喫!

掲載日:2023年12月27日 フォトTOPICS    

取材協力・写真/みちのくアドベンチャーラリー2023
取材・文/取材・文/佐川 健太郎

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雄大な景色とおもてなし精神に感激

10月初旬、岩手県八幡平の大自然を舞台に「みちのくアドベンチャーラリー2023」が開催された。ラリーといっても勝敗を競うレースではなく、いくつかのチェックポイントを通過し時間内にゴールできれば完走、という緩めのルールが魅力。オフロード初心者でも安心して参加でき、みちのくの美しい景色や大自然を堪能しながら楽しめるツーリングラリーになっている。ハードエンデューロライダーとして活躍する石戸谷蓮さんが中心となって作り上げたイベントで、昨年に続き2回目となる今年はエントリー数も230名を超えるなど人気もうなぎ上りだ。

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筆者も今回BMW・R1250GSで初チャレンジしてみた。理由はシンプルで、キング・オブ・アドベンチャーの誉れ高いGSの実力をリアルに体験してみたかったから。そのためには相応の距離と冒険度が必須と思ったからだ。都内の自宅から自走で現地入りしたが、まずロケレーションが素晴らしい。遠くに蒼く霞む山々や緑の絨毯のような牧草地などスイスアルプスを思わせる景色が広がる。

また、ラリーの仕組みが分かりやすいのも良い。通常のラリーではコマ図を読んで道順を辿っていくが、慣れていないと距離感や目印の記号を読み解くのが難しくコマ図ホルダーも必要になるなど初心者にはややハードルが高い。その点「みちのく」ではスマホの地図アプリを利用するのでルートの全容や自分が今どこを走っているのかが簡単に分かる。ラリー初心者でもスマホがあれば気軽に参加できるのだ。さらにマップにはトイレや給油ポイントも表示され、各チェックポイントにはホスピブースがあってお弁当も用意されるなど、まさに至れり尽くせりである。

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さて、ラリーに参加してみた感想だが、ひと言でめちゃ楽しかった。メイン会場となった岩手山焼走り国際交流村を起点に5台ずつ30秒おきにスタート。全行程180kmは舗装路とダート区間がそれぞれ半々に設定され、ワインディングや田舎道、林道などを縫うように八幡平の野山を駆け巡っていく。ダートは一部にちょっとしたガレや泥濘もあったが、その分アドベンチャー感も増して楽しい。レベル的には林道ツーリング経験者なら問題なく完走できると思う。参加バイクはセローやCRFなどのトレール車が大半だったがビッグアドベンチャーも多く、中にはブロックタイヤを履いたオンロードバイクやミニモトで挑む強者も。皆それぞれ自分のペースでラリーを楽しんでいた。というわけで自分も無事完走。来年も是非また参加したいと思う。

過酷なほど際立つ“疲れない”エンジンと車体

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ここからは今回の相棒、R1250GSについて少し語りたい。実はGSに乗ったのは久しぶりだったが、あらためてそのオールラウンド性能に感心した。オンもオフもとにかく楽で、長距離で過酷な環境になるほどそれが際立つ。今回「みちのく」でもオン・オフ合わせて180kmを一気に走破しただけでなく、東京の自宅からイベント会場までの往復1200kmを含め1泊2日でトータル1500km以上を走った。しかも帰路は夜間に雨の中、ずぶ濡れになりながら高速道路で帰ってきたが、意外なほど疲労が少なく翌日はそのまま仕事に行けたほど。長距離を走れるバイクは他にもあるが、我慢せずに快適に走れるのがGSなのだ。今日まで多くのライダーに支持され、キング・オブ・アドベンチャーの地位を不動のものにしている理由が分かった気がした。

でも何故“疲れない”のだろうか……。その理由のひとつはGSのエンジン特性にあるかと。フラットツインは出力特性も洒落ではなくフラットだ。アクセスを開けた時と閉じた時のフィーリングが同じで、ドラマチックな盛り上がりはない代わりに堅実で分かりやすい。アクセル開度とトルクの出方に直結感があって、先の挙動が予測しやすいので走りに余裕が生まれ、結果ストレスが少ないのだ。特にオフロードでそれを実感する。低重心でヤジロベエのような安定感があり、スロットルに対するレスポンスも穏やか。かつトラクションに優れるのでタイヤが路面をとらえてくれる。260kgの巨漢にも関わらず林道のぬかるんだ上り坂をグリップ走法でトコトコと登っていくのだ。ブイブイいう排気音も地味で無機質だが、それが逆に疲れない。

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独特のサスペンション機構もポイントだ。テレレバーは基本的にノーズダイブしないのでブレーキを思い切りかけられるし、加速・減速でも常に車体が安定している。フロントに圧倒的な安心感があり、ワインディングでも転ぶ気がしないのだ。ダートではフロントブレーキをかけてもフォークは沈まず、常にストロークし続けて路面の凹凸を吸収してくれるので安定しているし、シートが低めで何かあってもすぐに足を出せる。また、標準装着のカルー4はフルウェットの高速道路でも安心感抜群でコーナリングで荷重をかけても腰砕け感もなく、ダートでもグリップしすぎて逆に滑らせるのが難しいぐらいだ。ちなみにライディングモードはロード、ダイナミックプロ、アドベンチャー、アドベンチャープロの4種類で出力特性とサスペンションの設定をボタン1つで最適化できる。高速連続走行ではクルーズコントロールがとても快適で、雨に打たれながら強力なグリップヒーターの有難さを実感した。長い歴史に裏打ちされたリアル冒険マシンとしての実力はやはり本物。「みちのく」での二日間をR1250GSと共にし、そう確信できたのだった。

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抜けるような青空の下、スタート進行を行う石戸谷さん。軽妙なトークで笑いも取りながらテキパキと場を仕切っていく。

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簡単な車検を終えてスタートを待つ参加者。全国から230台以上の冒険ライダーが岩手山焼走り国際交流村に集結した。

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BMWのGSシリーズをはじめとするビッグアドベンチャーや250ccクラスのトレール車などが目立つ。ブロックタイヤが推奨になっている。

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自分はR1250GSの2023モデルで参加。GSトロフィーのイメージカラー&グラフィックがオフロードに映える。

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全行程の半分はオフロードで写真のようなフラットな林道がほとんど。陽が当たる視界が開けた道は最高に気持ち良く自然とペースも上がっていく。

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山深い場所では勾配が急でぬかるんでいる場所もある。前方がスタックして立ち往生するもゆったり構えて待つのがツーリングラリーのマナー。

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突然、落石や倒木が目の前に現れるなどアドベンチャー感も充実。ちなみに林道は許可を取って使用。ルートの安全は事前にしっかり確保されている。

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山の稜線を走る気持ちの良いルート。八幡平を一望できるライダーに人気の展望台があり、多くの参加者が記念撮影を楽しんでいた。

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仲間と一緒にトコトコと走るグループもちらほら。制限時間には余裕があるので、途中で休憩したり撮影したり寄り道したりと自由だ。

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各チェックポイントでは立ち寄った証としてカードを取得。ゴール時に全部が揃わないと完走扱いにならない仕掛け。ゲーム感覚で楽しめる。

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チェックポイントでは弁当とドリンクを配布。ほぼ走りっぱなしなので思った以上に体力を消耗しているらしくランチが待ち遠しかった。

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前後12インチのグロムでノーマルタイヤのまま挑んでいる強者も。車体が軽くて足着きも抜群なのでダートも意外といけちゃうらしい。

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「みちのくアドベンチャーラリー」はハードエンデューロの第一人者である石戸谷さん(CROSS MISSION)とオフロードイベントを数多く手掛ける大和さん(MOTORADA)による共同開催。至れり尽くせりのおもてなしは多くのスタッフに支えられている。

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10月初旬のベストシーズンに八幡平の雄大な自然と景色を満喫しつつお腹いっぱい冒険ツーリングを満喫できた。皆さんもぜひ体験してみてください!

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ビッグアドベンチャーでオフロード遊びを楽しんでいる「品川でお寿司を食べる会」の方々。皆さん走りもお上手で道中でも目立っていました。

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北海道から出たばかりのVストローム800DEと年代物のTT250でご参加のカップル。久々にリターンしてオフロードライフにハマっているそう。

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モトラッド仙台からご参加のGS軍団。長丁場で後半はバテ気味だったが満足感は120%だとか。慣れているとは言え、フル装備のGSで皆さんよく走ります。

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