掲載日:2017年05月21日 フォトTOPICS
取材協力・写真/KTM JAPAN 取材・文/佐川健太郎
試乗会の開催地はシドニーから150kmほど内陸に入った「ブルー・マウンテンズ国立公園」の周辺エリア。新型アドベンチャー各モデルを乗り換えつつ、大陸らしいスケールの大きなワインディングや森林地帯を走破した。
先頃、KTMの新型アドベンチャーシリーズ海外試乗会がオーストラリアで開催されました。大陸らしいスケールの大きなワインディングや森林地帯を走破しながら、新型アドベンチャーのパフォーマンスを存分に堪能することかができました。
今回投入されたモデルは「1290スーパーアドベンチャーS」と「1290スーパーアドベンチャーR」、「1090アドベンチャー」と「1090アドベンチャーR」の2系統4機種。それぞれ、従来の1190シリーズおよび1050の後継モデルという位置付けです。
フラッグシップの1290系は排気量を拡大した1290スーパーデュークR用の1,301cc水冷V型2気筒を搭載し、最高出力も10psアップの160psを実現。4つのライドモードを搭載し、スイッチ操作ひとつで出力特性やトラコン、ABSの設定を最適化することができます。新型ではコーナリングライトを搭載した大型フルLEDヘッドライトや大画面のフルカラーTFTディスプレイを新たに装備し、カウルのデザインも変更されるなどスタイリングも一新しています。
「S」と「R」はエンジンとシャーシなどの基本コンポーネンツは共通ですが、主に足まわりが異なっていて、「S」はオンロード寄り、「R」はオフロード寄りの仕様になっているのが特徴です。また、「S」には電子制御サスペンションが装備され、ライドモードに合わせてダンパー設定を自動的に最適化しつつ、路面状況に合わせてリアルタイムでダンピング調整する機能も与えられています。
一方、1090系は従来型を踏襲した水冷V型2気筒で排気量も1,050ccのままですが、最高出力はフルスペックの125ps(従来型は95ps)に大幅アップ。ネーミングも「1090」へと格上げされています。「1090」のスタンダードと「R」についても同様に、それぞれオンロード寄り、オフロード寄りと明確に差別化されました。
詳しいインプレッションはまた別の機会にじっくりとお伝えしたいですが、各モデルともよりパワフルに扱いやすく走破性も高められています。特に1290シリーズに関しては電子制御の進化によって、走りの次元がワンランク高められているのを実感できました。
KTMはダカール・ラリーで16連覇を誇るなど、オフロード界で圧倒的な実績を誇るメーカーであり、その中でもアドベンチャーシリーズは世界中のラリーなどで長年鍛え上げられてきたKTMの顔とも言えるモデルです。過酷な環境になるほど生き生きとした走りでライダーを魅了するアドベンチャーシリーズ。そこにKTMの神髄を見た気がしました。
01オンロード系の「1290スーパーアドベンチャーS」(左)と「1090アドベンチャー」(右)はフロント19、リア17インチのキャストホイール仕様。大型LEDヘッドライトが印象的な1290は電子制御サスペンションを装備。
02オフロード系の最上級モデル「1290スーパーアドベンチャーR」はフロント21インチ、リア18インチのスポークホイール仕様でサスペンションもマニュアル調整タイプ。ブロックタイヤとエンジンガードを標準装備する。
03新たに加わった「1090アドベンチャーR」は従来の1190Rの車体にダウンサイジングしたエンジンを搭載したモデルと言える。ストローク長220mmのフルジャスタブル式前後サスを備えるなど本格的オフロード仕様。
04地平線まで見渡せるような大平原をときに150km/hオーバーのペースで突っ走ることも。雄大な大自然の中で新型アドベンチャーのパフォーマンスを存分に満喫できた。
05「1290スーパーアドベンチャーS」のWP製の電子制御サスペンションは路面に張り付く安定感で高速コーナーでも安心してスロットルを開けられる。160psの圧倒的なパワーでスーパースポーツ顔負けの走りも可能だ。
06「1090アドベンチャー」は程よいパワー感とより軽量な車体、細めのタイヤによる軽快な乗り味が特徴で、タイトなワインディングなどでの扱いやすさは抜群。フラットダートも難なくこなせる懐の深さがある。
07「1290スーパーアドベンチャーR」はWP製のしなやかな前後サスとトラコン&コーナリングABSなどの電子制御の威力により、スロットルさえ開けていればどんな場所もでも走破可能。腕が上がったと勘違いしそうだ。
08「1090アドベンチャーR」は従来の1190Rの良さはそのままに扱いやすさを向上させた感じ。1290より重心が高く前後サスもソフトなど、よりビッグオフ的な味付けが特徴。余裕をもってジャングルクルーズを楽しめた。
09今回の国際試乗会では日本チームの他に地元オーストラリアとニュージーランドからメディアやジャーナリストが参加。マン島TTレースやISDEに参戦経験があるライダーなど強者揃いだ。
10KTM契約ライダーで今回のコースディレクターを務めたクリス・バーチ。ニュージーランドエンデューロで8度の王座獲得の他、ISDEやダカール・ラリーでも活躍した実績を持つ。昨年は日本でもクリニックを開催した。
11巨大なアドベンチャーをまるでトライアルマシンのように軽々と扱うクリス・バーチ。ロックセクションを飛ぶように走り、密林の中をスライドとブレーキターンを駆使して楽々と向きを変える。まるで魔法見ているようだ。
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