掲載日:2016年08月22日 オフロードアイテムレビュー
写真/楠堂亜希、船橋 賢 レビュワー/櫻井伸樹
パンク修理やタイヤ交換といった作業は、レース、林道ツーリングに関わらずガルルマンなら一度は経験する作業で、初心者が最初にぶつかる壁の代表といってもいい。そしてこの作業をスマートで完璧にこなすには知識と経験、そして優秀な工具が必要となる。
このビードブレイカーはそんな初心者にうってつけの工具。パンク修理にしろタイヤ交換にしろ、まずはタイヤのビードをリムから剥がさなくてはいけない。小排気量の細いタイヤならブーツで踏みつければ落ちるが、古いタイヤや太いタイヤはなかなかビードが落ちない。そこでこの工具の登場だ。
まず凹型レバーをリムの隙間に差し込み、次に凸型レバーを入れ、両方合わせてぐっと押し込むと、固くなったビードもボコンと落ちてしまうのだ。
「こんな簡単にビードを落とせる設計と、そのアイディアがすごいですね」とはバイクショップ「ストラーダ」の渡辺氏。逆側がタイヤレバーになっているため、ツーリングで荷物が増えないのもありがたい点だ。
モーションプロは1984年にISDEで金メダルを獲得したクリス・カーターによって創業されたツールメーカー。創立者自身がコアなライダーであるため、レースのメカニックから多くの技術をフィードバックし、また製品はユーザーの視点に立った実践的なツールを開発し続けている。さらに他のメーカーでは真似できないような独創的でハイセンスなデザインも同社のツールの魅力。このビードブレイカーもそんなすぐれた工具の一つだ。
[ SPECIFICATIONS ]
[ DETAILS ]
凸凹の2本を合わせるとこうなる。専用設計なので、かっちり合わさる。この状態をビードとリムの間で作り出しビードを落とすのだ。
ビードブレイカーの反対側は同形状のタイヤレバーになっている。
タイヤレバーは浅めのベンドなので、タイヤ装着の際にチューブを噛みにくい設計。
使いかたを順を追って説明。まずリムとタイヤの間に凹型レバーを差し込む。
続いてそこに凸型レバーを差し込む。これを一緒に握って、タイヤを下に押し込むとテコの原理でビードが落ちる仕組みだ。このビードブレイカー&タイヤレバーは、「ビードを落とす」「ビードを外す」「ビードをはめる」と機能的にすぐれた工具だが、力を入れても手が痛くならないエッジ形状や、高級感ある梨地のブラックボディなど工具としての所有感も高い。また適度なサイズと、スチールに比べれば圧倒的な軽さなど、携帯工具としても秀逸だ。価格は少し高めだが一生モノと思えば安い買い物だろう。
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