掲載日:2015年07月06日 オフロードアイテムレビュー
写真/楠堂亜希、関野 温 レビュワー/櫻井伸樹
筆者はこれまでいくつか胸部プロテクターを使った経験があるが、まずこの製品を手にして思うのは、今までの中で一番薄くコンパクトで、そして軽いことだ。その厚さはわずか17mm、重量にいたってはたった210g。RSタイチのサイトを見ると「世界最薄最軽量」とまで謳われている。
実際にジャケットに接続して着てみると、やはり軽く違和感はまったくない。今までは薄いジャケットに接続すると脱ぎ着の際にだらりとなったり、インナーとの相性が悪く胸が前に出たり、前傾するとヘルメットに干渉するなどデメリットが多かったが、このプロテクターにはそれらが一切ない。さすがに衝撃テストはできないが、同社サイトによると、内部に仕込まれた「テクセル」というハニカム形状の樹脂体は単位重量あたりで最高峰の強度を誇るらしい。
それを証明するかのように欧州のCE規格をクリアしているのだから、その安全性は折り紙付きだろう。世の中のすべてのライディングジャケットに、標準で装備してほしいと本気で思うほどの製品だ。
バイクの死亡事故で1番の要因は頭部損傷だ。2番目が胸部損傷、そして腹部損傷と続く。警視庁が発表した過去5年のデータでこの順番が変わることはない。つまり頭の次にライダーが守るべき部位は肩や肘、背中ではなく胸部なのだ。しかし胸部プロテクターの装着率はまだまだ低い。理由はヘルメットのように義務化されていないのと、厚く重いプロテクターに煩わしさを覚えるからだ。このRSタイチのプロテクターはそんな概念を打ち破る新製品だ。
[ SPECIFICATIONS ]
[ DETAILS ]
製品の裏側。よーく眼を凝らして見ると、ハニカム構造の6角形セルが見える。ハニカムとは「ミツバチの巣」のこと。ミツバチの巣はひとつの穴が6角形をしており、この集合体でできている。この構造は少ない材料で最大限の強度を生み出すため、多くの建築材料や音響機器などに採用されている。このプロテクターはポリプロピレンという丈夫で軽量な樹脂でこのハニカム構造を形成している。
厚さはたったの17mmで重さが210g。これならジャケットの内側に着けてもわずらしさがない。
二層構造になっている。
二層構造になっている。
試しに両手で力いっぱい曲げてみようとしたが、まったく反る気配はない。
RSタイチのチェストプロテクターシステムを持つジャケットには、ボタンですぐに装着が可能。また本体には18個の穴が開いており、ここから充分に風が抜けるので、メッシュジャケットの邪魔もしないのだ。今後はこのプロテクターを単体で使えるフィッティングベルトも販売してもらいたい。
愛車を売却して乗換しませんか?
2つの売却方法から選択可能!