

掲載日:2015年11月24日 試乗インプレ・レビュー
ライダー/渡辺学 写真/長谷川徹 まとめ/小川浩康 記事提供/GARRRR編集部
この記事は、雑誌『GARRR』Vol.355 の「2016 NewModel IMPRESSION」を再構成・転載したものです。
フロントアクスルの小径化と、それにともなうオフセット量、サスセッティングの変更。クラッチやエンジンの信頼性向上など、'16エンデューロモデルは、4スト2ストともに各部の熟成が進められての登場だ。ライダーは渡辺学選手。エンデューロらしいマディでのテストとなった。まずは4ストFEシリーズのインプレッションを聞いてみよう。
「FE250ですが、サスの動きがよく、ストローク量を多く感じます。タイヤのグリップ感も分かりやすいので、乗り味に重さがありません。さらにエンジンも高回転までトルクがスムーズに出てきます。長く乗っても疲れない乗り味で、初中級者も扱いやすいでしょう。
350は重さがありますが、低中速トルクが太くなっています。アイドリング付近でトコトコ走ってもエンストしにくく、高回転のパワーは250とは別物。この高回転域をコントロールするには体力と技術も求められるので中上級者向けの仕上がりですね。
450はゼロ発進からの安定性が抜群です。極低速トルクが太くて、それが安心感になっています。モトクロッサーベースではないエンデューロマシンらしいエンジン特性です。車重もありますが、パワーもあるので、レースで乗るにはマシンコントロールがややシビアになると思います。ただ、レスポンスはそれほど急ではなく、サスも初期が柔らかく奥で踏ん張ってくれるエンデューロマシンらしい特性なので、低中回転域では扱いやすさを感じられます。
501は450よりも重さを感じますが、トルクとパワーも増大しています。その余裕のおかげで、450よりも回さなくても乗れます。開けた時のパワーはすごいですが、そこまで開けなくても充分速いので、長時間乗っても疲れにくいです。ラリーやツーリングで乗ってみたい1台ですね。
FEシリーズは全車にマップスイッチが装着されていますが、テスト車両はスタンダードとソフトに設定されていました。ソフトはエンジンの回転上昇が遅くなり、ツキもマイルドになります。トルク感も細くなりますが、マシン挙動もゆったりするので、初心者でも扱いやすく乗りやすさを感じられます。この変化は排気量を問わず同じように変わりました。どちらのモードでもトルクの出かたが分かりやすく、サスの作動性のよさもあって、乗りやすさを重視した作り込みになっているのが2016 FEシリーズの特徴ですね」
FE250/350はDOHC、FE450/501はSOHCという2系統で、ボアアップで排気量を増大している。FE250/350は急坂の上り下りといった過酷な状況下でのオイルの過充填を防ぎ、最適な潤滑能力を発揮するようオイル回路を改良している。FE450/501はクラッチバスケットを80g軽量化し、プレッシャープレートを改良。耐久性を向上しつつ、調整も容易に行なえるようになっている。クランクシャフト&コンロッドは135時間というサービスインターバルとなっていて、エンデューロレーサーとして抜群の耐久性を実現している。
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