

掲載日:2013年11月13日 試乗インプレ・レビュー
インプレッション/辻 健二郎 まとめ/ダートライド編集部 写真/佐藤 春道 取材協力/ウエストポイント
スズキの4ストロークモトクロスレーサーというと、正直、それほど印象的な出来事がない、というのが偽らざる印象である。250ccはデビュー時、カワサキとの共同開発であった事がエポックメイキングと言えなくもないが、やがて共同開発を中止し、お互いに独自の路線を歩み始めた。
実際に現車を前にすると、数あるオフロード量産車レーサーの中では珍しいアルミタンクを採用したり、モアパワーや理想の空燃比により排気ガスコントロールに寄与するインジェクションの導入。左右で異なる役割を果たすセパレートファンクションフォーク採用など、オリジナリティを感じる部分もあれば他社と同一のスペックもある。
2014年モデルにあたって、メーカーからそれほど大きなリリースはなかった。極端な事を言えば、消極的とも受け取れる感じである。その少ない内容を列挙すると、
・ピストンは、レース及びテストで得た豊富なデータに基づき、ワークスマシンで使用した有限要素法(FEM)による形状を採用。ピストン強度を確保しながら軽量化を実現。吸気側サイドウォール間にブリッジを設けることで剛性を確保。排気側にブリッジを設けないことで潤滑、冷却性能を最大限に引出す
・ラジエーターは配管変更による左右流量バランスの見直しと、総流量アップによって安定した冷却性能を実現
・5速トランスミッションは、滑らかで確実なシフトフィーリングを実現
とあり、変更点は
・ECMの変更による始動性の向上
・サイドゼッケンプレートの色変更(白→黄色)
・シェラウドデカールの変更
となる。モトクロスレーサーが毎年大きな構造変更を受ける事はまずないが、RM-Z250も大きく変更しなければならない欠点は2013年モデルになかったとも言える。『変更がないからよくない』というのはまったくの見当違いなので、2014年型のRM-Z250がダメ、という事は決してない。
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