

掲載日:2013年10月11日 試乗インプレ・レビュー
インプレッション/辻 健二郎 まとめ/ダートライド編集部 写真/佐藤 春道 取材協力/ウエストポイント
1973年にカワサキのオフロード用レース車両KXが登場してから、この2013年型でシリーズは40年を迎える。その過程において様々な進化や試行錯誤を続け、ライダーとともにマシンも進化してきた。やがて、現行の4ストローク化の波にKXも従い、Fのモデル名を冠して日本をはじめ様々な国のオフロードレースに登場。モトクロスだけでなく、他のオフロードも含め、数多くのレースに参戦しながらその戦闘力を高めていった。
その中でKX450Fは2013年モデルでいくつかの特徴的な機能を採り入れ、シーズンを通して特にアメリカでは圧倒的なポテンシャルを発揮してきた。今回登場した2014年モデルは、進化の方向が正しかったのか大幅なチェンジはなく、僅かな変更のみで我々の前に姿を表した。
その2014年型のKX450Fで最大の特徴は、フロントサスペンションの内部構造にコイルばねの代わりに圧縮空気を使った空気ばねを使っている事だろう。最大の効能は金属を省いた事での軽量化というが、そもそもコイルばねと空気ばねでは特性が異なり、単純に重量差だけを取り上げる事は出来ない。摺動抵抗が減る点や、ボトム付近で強く踏ん張る(プログレッシブ特性)、路面追従性が高い、など優れた特性も持つという。このサスペンションは、インナーチューブにはDLC(ダイヤモンドライクカーボン)コーティングを施し、アウターチューブには精密加工した上でカシマコーティングする事で、フリクションロスを低減。コーナリング時に発生しやすい作動抵抗を減少させている。
またエンジンでは、『ファクトリーマシン直系のエンジンチューニング』が施され、くさび形のクランクウェブを採用する事で回転モーメントを増加させ、クランクシャフトのバランス率を向上。この2014年モデルのバランス率は、『AMA ライダーのライアン・ビロポートのファクトリーマシンに匹敵する約60%』になっていると言い、得られる効能は、『これによりエンジンの振動を低減させ、スムーズなパワー供給とパフォーマンス向上を実現し、特に低回転時の優れたレスポンスに貢献している』と言う。
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