

掲載日:2012年09月05日 試乗インプレ・レビュー
取材・写真・文/三上 勝久 協力/池田 智泰
CRF250Lは、先行して発売された同社のCBR250R用をベースとするエンジンを搭載した、日本設計・タイ生産のグローバル(世界戦略)モデルだ。世界各国の法規と需要に合う最大公約数的な設計と、タイで製造を集約することによるコストダウンによって、これまでの国内専用モデルに比べると破壊的と言ってもいい価格を実現している。 ルックスは、この2012年からホンダに移籍、現在全日本モトクロス選手権でランキングトップを爆走する成田亮(あきら)選手のファクトリーCRF450Rを思わせる戦闘的なデザイン。ホンダのデュアルパーパスモデルの歴史を考えると、2007年に生産終了となったXR250の後継モデルにあたるわけだが、車名といいデザインといい、過去と決別する意思が強く盛り込まれたモデルだと言える。
エンジンは、CBRと出自を同じくする水冷DOHC4バルブ単気筒。始動はセルのみでキックは装備しない。CBRとの相違点はクラッチとトランスミッション。オフロードでは半クラッチを使う機会が多いためCBRよりも耐久性を高めたものとし、ミッションもオフロードで扱いやすい低中速重視の特性としている。また、吸排気系のセッティングも変更。より低速でトラクションしやすいドライバビリティを確保するため、セッティングにはかなり苦労したと開発陣は言う。
フレームは新設計のスチール製ツインチューブタイプ。メインパイプを楕円断面形状とすることで高い剛性とスリムな車体の実現を果たしている。サスペンションは、ダンパーとスプリングを左右に振り分けたセパレートファンクションタイプの倒立サスペンションをフロントに採用。このシステムは最新のモトクロッサーでも続々と採用されているもので、左右両側にスプリングとダンパーが内蔵されている従来のサスペンションに比べ摩擦抵抗が軽減でき、また軽量化できることもメリットとなっている。CRF250Lの場合、従来タイプのサスペンションに比べて900g軽量化できていると言う。リアには定評のあるプロリンクシステムを採用する。スイングアームは、アルミダイキャスト製の一体構造のもの。チェーンアジャスターもアルミのモノブロックタイプとなり、過去のXR250に比べてはるかに高級感があり、調節しやすい構造となっている。
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