リエフ MRTプロ

掲載日:2012年06月06日 バイク購入ガイド        件のユーザーレビュー

文/田宮 徹

リエフ MRTプロの画像
RIEJU MRT PRO

現在でも新車で購入できる
2スト50のオフロードモデル

1934年に創立されたリエフは、第二次世界大戦直後から原動機自転車、50年代からオートバイの製造をスタートした、スペインの老舗ブランドだ。60年以上に渡り、ハンドメイドによる高品質な二輪車生産を行っていて、バイク大国で競争が激しいことで知られるスペインで、小排気量帯のブランドとしてしっかりとした地位を築いている。さらに現在では、世界20か国以上に輸出も行っている。そんなリエフでは、12年現在でも2スト50ccエンジンを使ったモデルを数多くラインナップしている。その中でこのMRTプロは、超本格装備を誇るオフロードタイプのモデルだ。

車体は、前後21/18インチ径のホイールを採用した、いわゆるフルサイズ設計。ブレーキは前後とも、軽量でクリーニング性能にも優れるウェーブ型のディスク式で、フロント側には片押し2ポットキャリパーと大径300mmディスクが組み合わされている。フロントフォークは、マルゾッキ製の倒立タイプで、インナーチューブ径は40mmとこのクラスとしては太め。リアには、ガス室別体式のモノショックを備える。ハンドガードや本格的なブロックタイヤなど、これ以外にもオフロード走行向きの装備は多い。

そしてエンジンは、デロルト社製のキャブレターで燃料供給される、ミナレリ社製の50cc水冷2スト単気筒。始動方式はキックのみ。もちろん、クラッチはマニュアル式で、変速機は6段リターン式だ。2ストエンジンであることを主張するチャンバーは、車体右側にレイアウトされ、オフロードモデルらしくサイレンサーはリヤフェンダーのすぐ下に配置されている。最高出力は4.4馬力、最大トルクは0.36kgmと、かつての国内向け2スト50ccモデルと比べてしまうとやや控えめな性能だが、2ストエンジンならではのフィーリングを十分に楽しめる。そしてなにより、21世紀に入って10年以上が経過した現在でも、2ストエンジンの新車を街で乗ることができるというのが、このモデル最大の魅力。車両重量も85kgと軽い。普段の足や短距離の冒険用として、楽しくライディングしてもらいたい。

リエフ MRTプロのここがポイント!
  • ● 希少価値の高い水冷2ストエンジン
  • ● 強力な制動力を生む前後ウェーブ型ディスクブレーキ
  • ● 高剛性なマルゾッキ社製倒立フロントフォーク

リエフ MRTプロのライバルはこれだ!

  • リエフ
    MRT

    プロの廉価版。フロントフォークは正立式。ブレーキディスクは前後とも通常の円形タイプで、前側はプロよりも小径。ハンドガードなども省かれているが、価格は約5万円安い。

  • ホンダ
    CRM50

    88年から90年代末まで販売された、前後17/14インチホイールを履くミニオフローダー。7.2馬力のパワフルな49cc水冷2スト単気筒エンジンを搭載。数は少ないが、中古車で買える。

  • ヤマハ
    DT50

    82年から90年代末まで国内向けにラインアップされた、7.2馬力水冷2ストエンジンのオフロードモデル。前後19/17インチホイールを履き、ブレーキは前後ともドラム式になる。

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