KTM 990SM R

掲載日:2012年03月28日 バイク購入ガイド        件のユーザーレビュー

文/田宮 徹

KTM 990SM Rの画像
KTM 990SM R

レーシングに由来するRの名を持つ
ビッグな驚速高性能モタード

オーストリアのKTM社が2012年現在でラインアップするモタード系の機種で、最大排気量を誇るのが990SM Rだ。パウダーコート塗装が施されたKTMお得意の鋼管トラスフレームに、水冷75度Vツインエンジンを搭載。アドベンチャー系やツアラー系のモデルにも採用され、熟成が続けられてきたこのLC8と呼ばれるショートストロークエンジンは、2012年型の段階では999ccの排気量が与えられている。最高出力は、本国仕様で116馬力。燃料を含まない半乾燥重量が約192kgに抑えられた車体との組み合わせにより、優れた加速性能を誇る。

一方で車体にも、多くの高性能パーツが使われている。もちろんモタードなので、前後ホイールは17インチ径で、タイヤはハイスペックなロードタイプ。サスペンションはWP製で、前後ともフルアジャスタブル式となっている。ブレーキは前後ブレンボ製で、フロントにはラジアルマウント4ポットキャリパーをダブルで装着。2012年型では、ツアラー系の990SM Tに使われてきたボッシュ製のABSが標準装備となった。モタードとABSの組み合わせに違和感があるユーザーもいると思うが、このシステムはスイッチ操作でキャンセル可能。アグレッシブなライディングにも完全対応している。先代と比べても車重はわずか約3kg増にとどめられていて、ストリートでの安全性を考えれば、高く評価できるマイナーチェンジと言ってよいだろう。

また、この2012年型では、フロントフォークインナーチューブのコーティングを廃止するなどの各部変更により、日本での販売価格が大幅に引き下げられた。その差は48万7000円。憧れのメガモタードは、だいぶ身近な存在になった。シート高は875mmで、スリムとはいえ車体は大柄。つまり、だれにでもフレンドリーなマシンというわけではないが、そのぶん目立ち度は抜群で、街を走るのが楽しくなるはず。そして、圧倒的なパワーとダイレクトな操縦性は、中上級者を十分に満足させるだろう。

KTM 990SM Rのここがポイント!
  • ● 大排気量Vツインが生むハイパワー
  • ● 本気でスポーツできるダイレクトな操縦性
  • ● 2012年型で追加されたABSの安心感

KTM 990SM Rのライバルはこれだ!

  • ドゥカティ
    ハイパーモタード1100EVO

    1078cc空冷90度Vツインエンジンをトラスフレームに搭載した、前後17インチタイヤを履くメガモタード。ウインカーが内蔵されたミラー付きハンドガードも特徴的だ。

  • ドゥカティ
    ハイパーモタード796

    1100の兄弟モデルで、車格は1100EVOと同じだが、より扱いやすい803cc空冷Vツインエンジンを搭載。スリッパークラッチを採用し、ラジアルマウントブレーキを備える。

  • アプリリア
    ドルソデューロ750

    ネイキッドのシバー750をベースに開発されたナナハンモタード。750cc水冷90度Vツインエンジンを、鋼管トラス部とアルミ製サイドメンバーを合わせたフレームに積む。

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