KTM 690エンデューロ

掲載日:2011年04月18日 バイク購入ガイド        件のユーザーレビュー

文/田宮 徹

KTM 690エンデューロの画像
KTM 690 ENDURO

道を選ばぬワイルドなバイクライフが
とことん楽しめる屈強なパートナー

2008年型で新登場した690エンデューロは、単気筒としては大排気量のエンジンを搭載する、さまざまな路面に対応したデュアルパーパス車だ。このモデル以外にも使われている、LC4と呼ばれるエンジンは、2007年に大きな改良を受けた。もちろん翌年にデビューしたこの690エンデューロも、その最新型LC4を採用している。排気量は654ccで、2011年型の発表最高出力は63馬力。燃料供給はF.I.だ。このクラスの単気筒エンジンとしては、かなりパワフルな部類に入るが、パワー面ばかりでなく、このLC4エンジンは小型軽量という点でも非常に優れている。また、カウンターバランサーシャフトの採用による振動の低減など、日常的に使えるような柔軟性も追求されている。とは言え、KTMらしい、つまりある意味で魅力的でもあるスパルタンな部分が、完全に消されてしまっているというわけではない。

このエンジンと組み合わさる車体は、クロームモリブデン鋼管によるトラスフレームを中心に構成されている。前後ブレーキはブレンボ製、前後サスペンションはWP製と、ほぼすべてのKTMマシンに共通の構成。ホイールは、フロントが21インチ径、リアが18インチ径だ。もっとも特徴的なのは、燃料タンクの配置で、プラスチック製のリアフェンダーが燃料タンクを兼ねる構造となっている。これにより、大容量のエアボックスを、シリンダーヘッド上側に配置することに成功。燃料タンク容量は12Lだ。そして車体全体としては、ガソリンを含まない半乾燥状態の重さが約138.5kgと、かなり軽量に仕上げられている。ピックアップがよくて最高出力も絞り出されたエンジンとの組み合わせにより、鋭い加速を実現。もちろん軽量な車体は、フットワークのよさにもつながっている。

なおこのシリーズには、さらにストローク量が増された前後サスペンションや、よりディープなブロックパターンタイヤなどを専用装備した、690エンデューロRという仕様もある。汎用性の高さか、さらなるオフロードでの走行性能か。選択に迷うところである。

KTM 690エンデューロのここがポイント!
  • ● パワフルで刺激的な新世代LC4エンジン
  • ● ハードなライディングにも対応した堅牢な車体
  • ● KTMらしさにあふれるスパルタンなパッケージング

KTM 690エンデューロのライバルはこれだ!

  • ヤマハ
    XT660R

    660cc水冷ビッグシングルエンジンを搭載した、欧州向けのデュアルパーパス。2004年型で新登場。前後21/17インチホイール、15L燃料タンク、左右2本出しマフラーを備える。

  • トライアンフ
    タイガー800XC

    2011年型で新登場。現行トライアンフのアイデンティティとも言える水冷並列3気筒エンジン(排気量は799cc)を搭載する。燃料タンクは19L容量、前後輪は21/17インチ径だ。

  • BMW
    F800GS

    2007年秋に発表され、日本市場には09年型で新投入。798cc水冷並列2気筒エンジンを搭載する。ハイライン仕様は、キャンセル機能付きのABSやグリップヒーターを装備する。

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