
国内販売が開始され、破竹の勢いを見せるホンダ・アフリカツイン。納車待ちが続く中、運良くオーナーとなった次に課題となってくるのが、ガードやケース類などのアフターパーツではないだろうか。そんなアフリカオーナーに注目して欲しいのが、このツラーテックのラインナップだ。
ホンダ・新型アフリカツインは、年間の販売予定台数が1,000台だったのに対し、2016年3月時点で受注が1,000台を越えてしまったというからまさに飛ぶ鳥を落とす勢いだ。
筆者は同年2月に行なわれたプレス向けの試乗会にて、車体設計、エンジン、クラッチなど車体を作り上げた開発陣に、じっくりと話を伺う機会を得た。話を聞く中で、痛烈に感じたのは、どの開発者もアフリカツインに対する愛情がとても深いということだ。
車やバイク、または映画などにおいて、かつて大ヒットした作品を現代の技術とスタッフでリメイクするパターンは、ここ数年よく目にすることだが、そんな作品の中には「こんなのオリジナルに比べたらまったく魅力がない」というものが少なくない。ところが新型アフリカツインには、そんな「期待はずれ感」は微塵もなく、逆にしっかりと旧作のキャラクターを把握し、その魅力を保持しつつも現代的にアレンジ、正常進化しているのだ。その結果としての売れ行きなので、これは充分に納得できるものなのである。
そんな新型アフリカツインだが、ホンダが市場として重要視しているのは日本よりもヨーロッパ市場だ。ヨーロッパではアフリカ大陸に船で渡り、それこそ長いバケーションを利用して、道なき道を走り回るアドベンチャーツーリングが今でも人気。そのスタイルでもっとも幅を効かせている車両といえばR1200GSを始めするBMWのGSシリーズだ。つまりアフリカツインはこの牙城を真っ向から崩すために開発されたと言っても過言ではない。
そして、そういったリアルな冒険旅に必要なアイテムが、転倒から車体を守るガード類や頑強なハードケースといった旅をバックアップするアフターパーツだろう。
このツラーテックは、1984年にドイツで発足したアフターパーツメーカー。電気技師だったハーバート・シュバルツ氏が自作のメーターやパニアケースをアフリカ旅で使ったことから始まり、やがてBMWラリーチームがロードブックホルダー「RB-TT」をパリ・ダカールラリーで採用したことをきっかけに躍進。以来、あらゆるアドベンチャーバイクに装着できるパーツをラインナップしてきた。現在では全世界30ヶ国以上にディーラーネットワークを持ち、とにかくタフで、機能的な製品を開発しているメガアフターパーツメーカーである。
そして、このツラーテックが早くも新アフリカツイン用の各パーツを開発、リリースしたという。純正パーツ以外で、これだけのラインナップを揃えているメーカーはまだまだ少なく、しかも信頼性の高いメーカーの製品だけに、その性能は充分期待に応えてくれるものばかりだろう。アナタのアフリカをこれらのパーツで武装し、リアルアドベンチャーマシンとして仕上げてみてはいかがだろう。
ツラーテックが新型アフリカツインに用意したパーツは、ガード類からハードケースに至るまで多岐に渡る。まず注目したいのはクラッシュバー。カウル内にはラジエーターを内包しているので、この装備は必需だろう。またDCT仕様はマニュアルモデルに比べエンジンがやや張りだしているので、DCT専用のエンジンクラッシュバーが用意されている点もうれしい。さらに左右一体型のパニアフレームは、後部周辺の剛性を大幅に上げるので、これもユーザー視線のラインナップと言えるだろう。他にもかゆい所に手が届く、本気の装備ばかり。これで思う存分、ダート走行が楽しめそうだ。