
すみずみまで洗練されたデザインは、そのマシンが持つ機能美を表している。ストリートへフラッと走り出せる気軽さと、オフロードに躊躇なく踏み込んでいけるポテンシャル。ハスクバーナの大排気量マシン『701 ENDURO』に専用のラゲッジシステムを装備し、実際にユーザーでもあるモデル・タレントの小林廉(こばやし れん)がレポートします。
そのスタイリッシュさで確実にファンを増やしつつあるスウェーデン発祥の『ハスクバーナ』は、モトクロスやエンデューロといったレース直系のモデルが多いメーカーですが、公道向けのモデルも存在します。その名も『701ENDURO』。
グッとシェイプされた車体幅は国産トレールモデルのように細く、それでありながら692.7ccの大排気量シングルエンジンを搭載する、超ホットなモデルなのです。
エンジンマネジメントは最新のKeihin製を採用し、電子的にコントロールされたフューエルインジェクションとスロットルバルブは最適な混合気を供給。ライドバイ・ワイヤ・スロットルを小さく丁寧に捻ればトコトコと、そしてマイルドに回転数が上昇して拍子抜けするほど大人しい印象です。
優秀なエンジンバランサーのおかげもあって、単気筒エンジン独特の振動はかなり抑えられ、吹けあがりはなめらか。しかし乾燥重量145kgという車重に最高出力55kW(74HP)/8,000rpmのスペック(パワーウエイトレシオ)から分かる通り、不用意にアクセルを捻ると振り落とされてしまう獰猛な運動性能を秘めています。
競技で言うところの「ENDURO」は、「速さ優位」ではなく「必ず戻ってくる・完走する」ことが大前提です。そういった意味でも701ENDUROは「段階的にテクニックを磨く」といった、長い付き合い方が出来るマシンだと思います。
実際のユーザーとしてはストリートを走る機会の方が多いのも事実。「ENDURO」の名を冠し、レース直系の雰囲気を残しつつ、ストリートバイクとしてオールマイティに使える汎用性があります。さらに専用設計のラゲッジシステムまで用意され、それもまた、魅力のひとつになっているのです。
ドラマや雑誌の撮影などでもよく利用されるポートタウンへお出かけ。701ENDUROはお洒落な雰囲気でも異彩を放っていました。排気量に比べ車体は軽量級なので、市街地での取り回しは楽チン。「ちょっとそこまで買い物に」と、気軽に使えるのが嬉しいバイクです。
汎用品の積載アイテムだと黒やグレーなどの色合いで無難に仕上げるほかないところ、そこはさすがハスクバーナ純正品。差し色がとても上品。バッグの開閉はダブルファスナーで荷物の出し入れもスムーズです。
サイドバッグは安定感のある3点保持。脱着もカンタンで、メインキーよりも小ぶりなカギでしっかりとロックします。ファスナーにも南京錠が取り付けられる穴が設けてあります。
貴重品を入れる事が多いリアバックはさらに脱着が容易になっています。容量は12~18リットルの可変タイプ。フラッとカフェに立ち寄ったり、買い物などでバイクから離れる際にはバッグにもなります。写真はサイドバッグとセットになっていますが、このリアバッグ単体での取り付けも可能です。
スーパースポーツやネイキッドと比較して使用速度域が実用的なオフロードバイク。狭い路地で使いづらい訳がありません。アップライトなライディングポジションは見晴らしが良く、危険予測がしやすい。その余裕から景色も楽しめます。個人的な考えですが、オフロードバイクは最初に選ぶべきオススメのジャンルだと思いますよ。
■エンジン型式 = 水冷4ストロークSOHC4バルブ単気筒
■総排気量= 692.7cc
■ボア×ストローク = 105×80mm
■最高出力 = 55kW(74PS)/8,000rpm
■最大トルク = 71N・m/6,750rpm
■トランスミッション = 6速
■サイズ=全長2,283×全幅814×全高1,277mm(編集部調べ)
■車両重量(半乾燥) = 145kg
■シート高 = 910mm(標準)
■ホイールベース = 1,504±15mm
■タンク容量 = 13L
■Fホイールサイズ = 21インチ
■Rホイールサイズ = 18インチ
■価格(消費税込み) = 130万円