
今、オフロードバイクユーザーの間で、密かなブームとなっているのがオフロード・トレッキング。モトクロスコースでひたすらスピードを追い求めるのではなく、道なき道を散策・探検するバイク遊びだ。そのオフロード・トレッキングにフォーカスし、使い勝手や快適性を引き上げる力造のオリジナルパーツ。新しいコンセプトのオフロード向けパーツなのだ。
バイクには様々な楽しみ方があるが、大別すると舗装路を走るオンロードと、未舗装路を走るオフロードに分けられる。そのオフロードランも、モトクロスやエンデューロといった競技志向、自然の中を走ることを楽しむ林道ツーリング、バイクではとても走れそうにないセクションの走破に挑むトライアルなどバラエティーに富んでいる。そして近年、オフロードフリークの間で注目を浴びているのがトレッキングだ。
登山ブームの盛り上がりと共に、トレッキング(=Trekking)という言葉も広く浸透してきている。山頂への登頂を目的とするのが一般的な登山であるのに対し、山頂にはこだわらず山の中を散策することをトレッキングと呼ぶのだが、ここ日本においてはバイクのトレッキングは少々言葉の成り立ちが異なる。
「元々は“トレールバイクでハイキング”しようという意味合いで作った造語なんです。二つの言葉を合体させたのが“トレッキング”だったんです」
そう語るのは、バイク・トレッキング向けのパーツを豊富にラインナップする力造ブランドを展開する、ぱわあくらふと代表の小玉さん。ぱわあくらふとは、全日本選手権にも参戦するトライアルの強豪。オン/オフを問わず、広くバイク遊びの提案を行っているショップだが、やはり得意としているのがオフロードの分野。そして、今盛り上がりを見せているバイク・トレッキング・ブームの火付け役でもある。バイク・トレッキングは、自然の中をバイクで遊ぶことを目的に生み出された言葉だが、それが図らずして登山用語のトレッキングと、意味合いがほぼ同じであったということなのだ。
バイク・トレッキングはオフロードバイクさえあれば、誰でも楽しめるバイク遊び。だが、ここに気をつけたいポイントがある。一般的にオフロードバイクと認識されているモデルのほとんどは、本来“デュアルパーパス”と呼ぶべきもの。デュアルパーパスの、パーパス(=purpose)の意味は“目的”。そしてデュアルはオンロードとオフロード両方を指す。つまり、オン/オフ両方を走れるように作られたバイクであり、オンロード走行を考えた分、オフロード性能がスポイルされている部分もあると言える。そうしたオフロードを走る上で不満を感じる部分を補い、またトレッキング特有の走り方に最適化させるためのパーツが力造のトレッキングパーツなのである。小玉さんは、パーツ開発のコンセプトを、こう説明してくれた。
「バイク・トレッキングが流行りだした頃は、本当に野山を散策することがメインの楽しみ方でした。ですが、最近は走破することが難しい悪路に挑戦することを目的とするユーザーさんが増えてきています。そうすると、トライアル車的な性能も求められてきますし、転倒の可能性も高まりますからマシンをガードする要素も必要になってきます」
そうして考え出されたパーツのひとつが、力造のスキッドプレートだ。スキッドプレートは、簡単にいえばエンジンとフレームの下部をガードするパーツ。オフロード用パーツとしては一般的なものだが、力造のそれは他と比べ明らかにガードする範囲が広く、作り自体も見るからに強度が高い。
4ストロークエンジンは、一般的に下側にオイルパンという部位を持つ。エンジン内部を循環したオイルが溜まる部品だ。このオイルパン、アルミの鋳物で作られていることがほとんど、実のところ衝撃に弱い。転倒した先に硬い岩でもあれば穴が開く可能性が高い。そうなると、オイルが抜けてしまうので、即座に走行不能に陥ってしまう。想像してみよう、ソロで山深い場所に分け入り、そんな場所で転倒しオイルパンを割ってしまったら……。遭難して命の危険すらあるわけだ。そんな万が一に備え、力造のスキッドプレートは強固に作られているという訳なのだ。
他のパーツも、バイク・トレッキングには何が必要かを考え抜かれた逸品揃い。力造のパーツを装着すれば、あなたのマシンもすぐにバイク・トレッキング用マシンに早変わり。安心、快適にバイク・トレッキングを楽しめるのだ。
力造のバイク・トレッキングパーツは、とにかく実効性を最優先に作られている。ガード系パーツはマシンのプロテクション性を考えた設計が為されているのだが、機能美という言葉があるようにファッション性も高い。また、ハンドルやステップ、シートといったポジショニングパーツは、いかに的確にマシンコントロールを行うかを追求したもので、オフロード走行時の操縦性を大きく向上させてくれる。どのパーツも、実によく考えられて作り込まれていて、実際に走りこんでいなければ思いつかないであろうアイデアが見て取れる。その最たるものがダウンフェンダーキット。詳しくは下の個別カットで確認してもらいたいが、走りを変えてしまうパーツなのだ。