多数あるバイクのカテゴリにおいて、オフロードバイクはどちらかというと地味で目立たない存在です。一時期のオフロードブームのころに比べると、現在では各メーカーで数車種のラインナップを持っていればいいほうで、主力のカテゴリではありません。しかし、オフロードバイクは、他の車種にはない素晴らしい魅力を持っています。軽量でスリムな車体に、舗装路だけでなく林道などの未舗装路も快適に走れる高い走破性、そして軽量ゆえの低燃費と、高いポテンシャルを持っているのです。シート高の高さがネックになる場合もありますが、車種を選べばこの問題も解決可能。気軽に乗れてどこへでも行けるバイクとして、オフロードバイクはもっと注目を浴びるべきカテゴリではないでしょうか。今回はその中から、国産人気モデルをピックアップしてご紹介。オフロードバイクにとってキモとなるデータをチェックして、楽しめる1台を見つけましょう!
ストロークの長い前後サスペンションとブロックパターンのタイヤで、どんな道でも走行可能。
アップライトなポジションで視界もよく、ツーリングバイクとしての素質も良好。
国産250ccのオフロードモデルは、燃料等が全て入った状態で130kg前後。モデルによってはそれ以下のことも。
車両のとりまわしも軽く、ライディングでも軽快感があります。
オフロードモデルのデメリットとして、シート高の高さがあります。
一般的なバイクに比べて足つき性が悪くなっていますが、ほとんどの車種はカスタムすることで解決可能です。
オフロードバイクの実力を計るため、今回は最高出力、車両重量、シート高、燃費に着目しました。この4点を目安に、人気の10モデルを徹底チェック!
※燃費は60km/h定地走行テスト値になります。
オフロード車のスタンダード
空冷単気筒エンジンを搭載するXR250は特に人気の高い1台です。熟成された信頼性の高いエンジンと素直なハンドリング、メンテナンス性の良さなど、とても扱いやすいマシン。絶版車となった今も、初心者からベテランまで幅広い人気を誇っています。また、人気に応じてカスタムパーツが豊富なのも、XR250ならではの特徴と言えるでしょう。
バハをイメージしたツアラー
メキシコにあるバハ・カリフォルニア半島を駆け抜ける過酷なレース「BAJA1000」をイメージしたツーリングモデル。XR250をベースとしており、基本性能は同じですが明るいデュアルヘッドライトと大容量タンク、ローシートを採用。単気筒ゆえの低燃費もあいまって、条件によっては無給油で400km以上の走行も可能。旅に最適な1台です。
新時代を担うオフロードマシン
2008年に発売されたばかりのブランニューマシン、WR250R。アルミフレームにFI採用エンジンを持つ、待望の新型モデルです。競技用車両であるYZシリーズの技術を積極的にフィードバックしており、オフロード走行においては現行モデル中トップクラスと言って過言はないでしょう。「速いオフが欲しい」というライダーは、WRなら間違いなしです。
余裕のパワーを持つミドルオフ
紹介するモデルの中で唯一の400ccモデルとなるDR-Z400S。重量面では若干250ccクラスには及ばないが、余裕のあるパワーは400ccクラスならでは。足回りもそれに見合ったクオリティのものが与えられているため、走りのポテンシャルはかなりのもの。狭いところは少し苦手だが、通常の林道なら快適かつ爽快なライディングが楽しめるはず。
元祖戦う4ストマシン
山間に設置されたコースを周回するエンデューロレースにおいて、パワーに勝る2サイクルモデルに対して、真っ向から勝負をかける「戦う4スト」、KLX250。現在は排気ガス規制の影響を受け最高出力のカタログ数値は低下していますが、GARRRR誌による実測では先代と変らぬスペックを実現しているとのこと。速さを求めるなら有力な候補になります。
オフロードバイクはマニアックに見られがちなカテゴリですが、乗ってみると意外なほど使い勝手が良いことがわかります。通勤・通学をはじめとするコミューター的な使い方からツーリングの相棒、果ては林道走破まで、遊び場所は無限大。行動範囲の広さなら、オフロードバイクが他に対して一歩リードしています。また、ほとんどのモデルが単気筒のため、低燃費で維持コストの負担も軽く済みます。車体構成もシンプルなものが多く、メンテナンスを実践で覚えていくには最適のバイクと言えるでしょう。手軽に楽しめて道を選ばないマルチな性能を持つオフロードバイク。そんなオフロードバイクを、あなたも一度体験してみませんか?