
掲載日:2012年04月13日 オフロードライテク講座 › オフロードビギナーの疑問解消!
講師/小林直樹 写真/長谷川徹 まとめ/小川浩康
記事提供/GARRRR
このコンテンツは『GARRRR 』 Vol.297(2010.12.6発行) 「小林直樹のそうだったのか!オフライド」掲載の記事を引用しています。
オフロードライディングに対して、初心者が感じる不安、中級者が思う疑問を、私オフロードライディングマスター・小林直樹がわかりやすく解説いたします。知らなかったことを知り、正しい楽しみ方を身につければ、オフロードライディングの楽しさはさらに増えていくんですよ。オフロードビギナーの方はもちろん、我流テクニックで伸び悩んでいる中級ライダーも必見です!
コーナーでアウト側へはらんでいくというのは、アプローチスピードが速すぎるのが一番の原因なんです。事例3を読み直し、しっかりブレーキングして自分の曲がれるスピードまで落としてください。
それでもうまくコーナリングできないという人は、マシンを傾けられずハンドルだけで曲がろうとしているのが原因なんです。ダートは舗装路よりも路面グリップ力が少ないんです。ですから、ハンドルを切っただけではフロントタイヤのグリップ力が十分発揮されず、マシンを曲げていこうとする力も弱いんです。これを「舵角がつかない」とか、後ろから押されるように直進してしまうので「プッシュアンダーステア」と言ったりするんです。
舵角をつけるためには、マシンを傾けてやります。傾けることでフロントタイヤだけでなく、リヤタイヤのグリップ力も使えるようになるからです。バイクには、マシンを傾けることでハンドルもイン側に自然に切れ込んでいくという特性があり、これをうまく利用することがスムーズなコーリングになるんです。この時に注意してほしいのが、アクセルを全閉にしないことです。マシンを傾けて前進させることで遠心力が働き、イン側に切れ込みすぎるのを防いでいるのですが、アクセルを全閉にすることで遠心力がなくなってしまうのです。コーナー手前の直線部分でアクセルをゆっくり戻していき、マシンを傾けたらコーナーの頂点(クリッピングポイント)までゆっくりアクセルを開けていってください。そしてコーナー出口が見えたら、さらにアクセルを開けていきましょう。
右の2枚の写真は、マシンを直立させた状態でハンドルを切り、そこからクラッチミートしているところです。マシンは前進すると直立状態になり、それにつられてハンドルも戻っています。アクセルを開けると、この動きはより顕著になります。直立していると曲がれないというのは、マシンにこういう力が作用していることが理由なんです。
①ハンドルを真っ直ぐにして、アクセルをゆっくり戻して進入してきます ②シッティングの場合はイン側の足を出すことで、マシンを傾けるきっかけにします ③アウト側のヒザでタンクを押し込み、さらにマシンを傾けていきます。この時、上体がイン側に入らないようにします。地面に対して上体が垂直になるようなイメージを持ちます。このフォームがリーンアウトです ④するとハンドルも自然に切れていき、マシンの向きがスムーズに変わっていきます
コーナリングを横から見たところです。 ①マシンが直立しているこの状態の時にブレーキングを完了しておきます ②イン側の足を出し、マシンを傾けていきます ③傾けた状態をキープしながら、アクセルをゆっくり開けていきます ④出口が見えたらアクセルをさらに開けます
スタンディングでコーナリングする時は、イン側の足を出せません。この時はイン側のステップを踏み込むことでマシンを傾け、コーナリングのきっかけを作ります。上体でリーンアウトするのは変わりません
うまいライダーは、コーナリングで豪快にリヤをスライドさせていきます。スライド量をコントロールするためにカウンターステア(逆ハンとも言います)を使いますが、コーナリングしていくメカニズム( 操作方法)は、通常と同じなんです。 ①イン側の足を出してきっかけを作ります ②マシンが傾きます ③アクセルを思いきり開けます ④⑤するとリヤがスライドします。逆ハンでスライド量をコントロールします
トライアルマシンとトレールマシン、二足のわらじでオートバイライフを楽しむ元全日本トライアル国際A級ライダ一。現在はトライアルデモ走行やスクール等、オフロードバイクの普及活動を精力的に行っている。
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