シート染め直し編

掲載日:2009年01月05日 部位別メンテナンス外装系    

メンテナンス講座

くたびれたシートレザーがよみがえる
レストア派必携のアイテム

長年1台の車両に乗っていると、シートの劣化は防ぐことはできない。しかも、補修は難しく、表皮が切れたり破れたりすれば専門業者に張り替えを依頼するしかない。ただし、シートのツヤが引けてカサカサになった程度であれば、現在はオーナー自らが対策を取ることができる。デイトナが販売する「シート染めQ」を使用すればいいのだ。シート染めQは、通常の塗料とはまったく風合いが異なり、シート表面から内部に浸透するように定着する、塗料というより染料のような成分を缶スプレーに詰めたもの。シート素材に吹き付けた途端に秒速の勢いで乾燥し、塗膜の厚みを感じさせない。つまり、シート表面の模様をまったく殺さない仕上がりなのだ。

 

シート染めQは車両のレストア時にも大活躍する。上の写真は、表皮がくたびれていたシートをシート染めQで仕上げたものだが、作業前後の美しさ、質感の差は歴然。さすがに硬化してしまった表皮をしなやかにすることは難しいが、表皮に損傷がなければどれだけくすんだシートでも美しく蘇る。カラーは純正色に多いブラックを筆頭に複数用意されているため、新車時のようなシートカラーとツヤを取り戻すことができるだろう。

作業手順を見てみよう!

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まず、洗剤を含ませた濡れ雑巾で汚れを落とした後に洗剤分を拭き取る。シートを丸ごと水洗いしないよう注意。

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その後、ワックスオフで脱脂を行う。ワックスオフは表皮に直接吹きかけ、きれいなウエスでしっかり油分を拭き取る。

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パイピング部分を境にシート座面と後部の塗り分けを行うため、マスキングテープを入念に貼り込む。

 

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広い面積をマスキングするにはマスキングシートが便利。形状が複雑なものでも貼り残しによるトラブルの心配がない。

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スプレー缶を十分に振り、ムラになってもいいので薄めに定着させる。最初から厚塗りしようとしないのがポイント。

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1回目の薄付けで全体を均一に塗り終えたら、2度目以降はしっかり色を載せていく。この手順で下地の黒は見えなくなった。

 

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数分待ってマスキングシートを剥がすと、境界の塗膜がひび割れることもなく、座面の塗装は成功した。

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今度はシート後部をガーネットでペイント。この色は隠蔽力が弱く、重ね塗りの回数を増やさないと下地の色が隠れない。

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発色を良くするために、白の染めQをサフェーサー代わりに塗る。その隠蔽力は強力で、黒地のシートがどんどん白く染まる。

 

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薄めに塗り重ねること数回、すっかりシートは真っ白になった。表皮表面のシボがちゃんと残るのは塗膜が薄い証拠だ。

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下地が白ならガーネットの染まりも良好。ただし、ガーネットは濃淡のムラがでやすいので、薄く均等に塗ること。

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数分待って塗装面が乾いたのを確認し、マスキングテープを剥がせば、塗り分け部分がシャープに仕上がったのがわかる。

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