フロントフォークのシール交換編(その1)

掲載日:2009年08月25日 部位別メンテナンスフレーム&足回り    

メンテナンス講座

フロントフォーク復活に欠かせない
オイルシール交換

正立タイプのフロントフォークで高性能なカートリッジタイプが普及したのは比較的最近の話で、それ以前はどんなモデルもシンプルなダンパーロッドタイプが当たり前だった。いずれのタイプでも、さらには最新の倒立フォークでも、メンテナンスの基本はフォークオイルの交換にある。劣化した古いオイルを捨てて、適正な粘度のオイルを適正量入れることでフロントフォークは所期の減衰力を取り戻すはずだ。しかし、スライドメタルやダンパーピストンのリングなど、内部パーツが摩耗している場合はこの限りではない。さらにはオイルシールからフォークオイルが漏れるような状況では、まともな性能は期待できない。オイルシールからオイルが漏れる原因としては、経年変化によるシールゴムの硬化という単純なものから、インナーチューブのさびがシールを傷つけるというやっかいなものまでさまざまなパターンがある。だが、いずれにせよバイクのフロントフォークメンテでは、オイルシール交換は避けて通れない作業であると考えておいた方が良い。手順が多いのでこの作業については今回から3回シリーズで説明しよう。なお、工具や環境が整っていない場合、この手の作業はプロに任せた方が無難だ。

作業手順を見てみよう!

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トップブリッジやハンドルバーなどを固定するボルトを着脱したり、パーツを外す際に邪魔になりそうなカウルなどの外装はあらかじめ外しておく。工具やパーツをぶつけるミスも防げる。

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サンプル車両VT250Fの場合、ハンドル抜け止めのための細いストッパーリングを外す。このパーツの存在に気付かずフォークを引っ張っても、絶対に抜けないから注意したい。

 

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フロントフォークが単品になった後では作業しづらいので、ハンドルバーを外したらトップブリッジのクランプボルトを緩める前にインナーチューブのトップボルトを緩めておく。

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トップブリッジ、アンダーブラケットのクランプボルトを緩めて、フロントフォークを引き抜く。締め付けがきつい時は、ブラケットのすり割りにドライバーを入れて僅かにこじると効果的。

 

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アウターチューブの下端、アクスルシャフトのホルダーあたりをバイスで挟み、ソケットボルトを緩める。アウターチューブを直接掴むと、変形してフォークの動きが悪くなるので注意する。

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ダストカバーを外し、オイルシールの抜け止めとなっているサークリップを外す。機種によってはサークリップではなく、ストップリングを使っている場合もある。

 

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アウターチューブをバイスで固定して、インナーチューブを手前に引っ張る。インナーチューブとアウターチューブのスライドメタルが干渉するので、勢いをつけて引っ張る。

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ズボッと抜けたインナーチューブの先には、オイルシール、バックアップリング、スライダーブッシュ、フォークパイプブッシュがセットになってついてくる。オイルシール以外は再使用する。

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