ステムベアリング編

掲載日:2008年09月19日 部位別メンテナンスフレーム&足回り    

メンテナンス講座

スムーズなステアリングは
ステムベアリングで決まる

ステムベアリングにダメージを受けたままで走っているライダーと時折出会うことがある。本人は慣れてしまい、ダメージに気づいていないのだが、そんなマシンは直進安定性が悪く、ハンドルが取られ、車線変更でわだちを乗り越えるときなどは恐怖感を感じてしまう。友人からそんなマシンを借りて走り始め、同じような感想を持ったことのある人は多いのではないか。そういった状態のマシンは即刻ステムベアリングの交換を行って欲しい。ここではテーパーローラータイプを例に出して解説するが、旧式のコーンタイプでも作業内容は同様。ただし、スチールボールを並べるときはグリスを大量に塗布し、グリスボールを保持するのが作業手順となっている。また、ステムシャフトにベアリングを打ち込む際には、インナーレースの径にあった鉄パイプを用意し、ローラーの保持器にダメージを与えないように平均的に叩き込む、もしくは圧入するのが手順だ。

作業時の注意事項

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タガネだけで取り外すこともできるが、このようなプーラーがあればステムシャフトにキズを付けることなくスムーズにベアリングを引き抜くことができる。

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たいていの場合、ベアリングローラー側にはダメージを発見できない。ベアリングはセット交換が基本なので、交換の際には無条件でローラー側も廃棄する。

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ステムベアリングを交換する際は、三つ又から先の部品をすべて取り外し、作業を進める。センタースタンドが無い機種もあるので、レーシングスタンドやジャッキを用意しよう。

 

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アウターレースはスチール角材を利用し、叩いて抜き取る。専用工具もあるものの、平均的に無理なく叩けば抜き取れるはずだ。硬くて外れないときは周囲をヒーターで温めるとアウターレースを外しやすくなる。

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グリスアップをメインにした一般メンテナンスならば、洗浄液(灯油など)でローラーを洗いグリスアップを行う。ここでは極圧性の高い高性能グリスを利用したい。

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三つ又のシャフトを締め付けるナットは、専用のフックレンチで緩める。マイナスドライバーなどで叩いてしまうと、ナットにキズが入ってしまうこともあるので注意。

 

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ベアリングを叩き込む際には、ハンマーで直接ベアリングを叩かず、ローラーが当たらない部分を平均的に叩いて圧入する。作業前には周囲を洗浄しておくこと。

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ステムシャフト側のベアリング交換は、専用工具があれば楽に作業ができる。工具があっても使いづらい場合は、タガネでインナーレースを叩き、ベアリングを浮かせる。

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旧式のコーン&レースベアリングの場合、打痕が明確に出るだめ、目視や指先確認でも良否を判断できるが、テーパーローラーの場合はわかりにくい。

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