掲載日:2026年10月03日 購入基礎知識 › バイク購入基礎知識
取材・文/小松 男


今月の1位は、クロスカブ110!
これはなかなか面白い結果です。
クロスカブ110は、決して「突然現れた伏兵」ではありません。これまでもランキングにはたびたび顔を出しており、6月には2位に入っています。しかも実は今回、トップ5のすぐ外側にスーパーカブ110までつけている。
つまり、今月はたまたまクロスカブが多く買い取られた……というだけではなく、カブ系そのものが中古市場でしっかり動いていると見たほうが面白そうです。
クロスカブ110の魅力は、スーパーカブの実用性を持ちながら、もう少し遊び心があること。
通勤や買い物に使えるのはもちろん、休日にはちょっと遠くへ出かけてみたくなる。舗装路を走るだけでもいいし、ツーリング先で少し道を外れてみるのも楽しい。そんな「生活と遊びの間」にいるキャラクターが、今の時代にちょうどいいのかもしれません。
そして最近、街で見かける機会が本当に増えました。
新しいキャストホイール仕様だけでなく、以前のスポークホイール仕様もまだまだ現役。つまり、世代をまたいで車両が市場を循環しているわけです。
PCXが不在となった9月の頂点に立ったのがクロスカブ110。
そして、ランキングギリギリのところにはスーパーカブ110。
今月はどうやら、“カブの底力”を見せつけられるランキングになったようです。

グーバイク買取ランキング9月度の2位にはNinja 400が入りました。
400ccクラスのフルカウルスポーツとして長く支持されてきたNinja 400。250ccとは明らかに違うパフォーマンスを持ちながら、大型ほど身構える必要もない。その絶妙なポジションが、このバイクの強みです。
実は私の知人も、この夏前に中古のNinja 400を購入したという話を聞いたばかり。
もちろん一人の購入例だけで市場全体を語ることはできません。でも、身近なところで「Ninja 400の中古を探して買った」という話を聞くと、今回の2位という結果も妙にリアルに感じます。
400ccなら高速道路も余裕がある。ツーリングにも行ける。街中でも持て余しにくい。そしてフルカウルだから、ちゃんとスポーツバイクに乗っている気分も味わえる。
大型バイクへステップアップする前の一台としてもいいし、逆に大型からサイズダウンしたい人にもいい。
この「どちらにも振れる」懐の広さが、Ninja 400の根強さなのではないでしょうか。
買取市場に出てきた車両が、どの世代なのかは分かりません。
ただ、長く販売されてきたモデルだけに、中古車としての流通量もあり、買う側からしても探しやすい。
そして、売る側にとっては「次のバイクへ行くための一台」として手放しやすい。
そんな循環が続いているからこそ、今回の2位なのかもしれません。

9月度のグーバイク買取ランキング、3位にランクインしたのはジョルノです。
ジョルノといえば、丸みを帯びたボディによるレトロポップなスタイルが魅力の原付一種。コンパクトで取り回しやすく、買い物や通勤・通学など、ちょっとした移動ならこれで十分。
何より、原付ならではの「気軽さ」があります。
大きなバイクを出すほどではない。クルマを出すほどでもない。でも、歩くにはちょっと遠い。
そんな場面で、サッと乗って出かけられる。
この気軽さは、排気量の大きなバイクでは代替しにくいものです。
そして今、50cc原付を取り巻く環境は大きく変わっています。
従来型50ccの新車販売が終わりつつあることで、「原付一種を買いたい」という人にとって、中古車の存在感が以前より大きくなっています。
だからこそ、今回のジョルノ3位は興味深いもの。
しかもジョルノは、単なる実用品ではなく、デザインにもちゃんと個性がある。
安くて便利だから乗るだけではなく、「ジョルノが好きだから」という理由で選べるのも強いところです。
昨今のマーケット動向を見ても50cc原付スクーターの中古市場は、これからさらに面白くなるかもしれません。

4位に入ったのはトリシティ155です。
これにはちょっと驚きました。
というのも、現行型のトリシティ155は2025年9月25日にモデルチェンジを行ったばかり。ところがヤマハは現在、2026年秋に生産終了予定であることを明らかにしています。さらにトリシティ300はすでに生産終了・メーカー在庫終了、トリシティ125も2026年夏に生産終了予定。ヤマハが展開してきたLMWシリーズそのものが、大きな転換点を迎えているのです。
そんなタイミングで、トリシティ155が買取ランキング4位。
これは中古市場を見るうえでも、なかなか興味深い動きです。
トリシティ155は、フロント2輪のLMW機構によって、一般的なスクーターとは違う安心感と独特のコーナリング感覚を持つモデル。
つまり「これでなければ味わえない」バイクでもあります。
ここが、今後の中古市場では面白いところ。
普通のスクーターなら、似たような使い方ができるモデルがいくらでもあります。しかし、フロント2輪のLMWという個性は、簡単に代替できません。
生産終了が決まったからといって、すぐに価値が上がるわけではありません。
ただ、今後タマ数が増えないことは確か。
「ちょっと変わったバイクに乗ってみたい」
「トリシティ、前から気になっていたんだよな」
という人なら、まだ良質な中古車を選べる今のうちに探してみるのも面白そうです。
今回の4位は、“個性のあるバイクを今のうちに見ておく”という意味でも気になる一台です。

5位にはVTR250がランクイン。
これもまた、「今さら?」と思わせてくれるモデルです。
VTR250の生産終了からは、すでにかなりの時間が経っています。それなのに、こうして買取ランキングへ顔を出してくる。
なぜでしょう?
答えは、ものすごくシンプルなのかもしれません。
壊れにくく、乗りやすく、いま見てもカッコいい。
VTR250に搭載された249ccの90度Vツインは、ホンダが長年熟成してきたVT系エンジン。VTRでは低・中回転域のトルク感と扱いやすさを重視し、市街地からワインディングまで幅広い場面で楽しめるように仕上げられていました。車体も軽量・コンパクトで、取り回しのしやすさを大きなテーマとしていました。
つまり、スペック競争とはちょっと違うところで、非常に完成度の高いバイクだったわけです。
そしてデザインもいい。
ネイキッドらしいシンプルなスタイルは、いま見ても古臭さを感じにくく「これでいいんだよ」と思わせる潔さがあります。
そもそも、このVTRへつながるVT250Fが登場したのは昭和57年(1982年)。
当時、2ストロークモデルが幅を利かせていた250ccクラスに、ホンダが4ストローク90度Vツインを投入。RZ250のライバルとして一躍注目を集め、その後のVTシリーズは250ccロードスポーツの大きな流れを作りました。ホンダ自身もVT250Fについて「軽量・コンパクトな車体」と「軽快な操縦性」を特徴として挙げています。
「RZキラー」と呼ばれた、あのVT250Fから始まった血筋が、形を変えながらVTRまで続いたわけです。
昭和のバイクブームを知る世代にとっては、ちょっと懐かしい。
でも若いライダーからすれば、VTR250は「古いバイク」ではなく、手頃で乗りやすい中古250ccスポーツとして映る。
世代を超えて価値が見直される。
VTR250がいまだに市場で動いている理由は、そんなところにもありそうです。








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