掲載日:2024年09月06日 購入基礎知識 › バイク購入基礎知識
取材・文/小松 男
バイク言えば”グーバイク”!! 最新モデルから絶版車、レアモデル、インポートバイクまで、マーケットに流通しているほぼすべての車両を網羅し、バイクを求めるユーザーのニーズにコミットした情報を提供する国内トップのバイクメディアです。
そんなグーバイクの成約台数ランキングを元に、現在のトレンド同行を探りつつ、どうしてそのバイクの人気が高いのかを考察! 今回は『ストリート』編です!
ストリートモデルの定義としては最新技術を用いていることや絶対的な速さ、走破性能を追求するようなバイクではなく、どちらかと言うとファッション感覚で付き合うことができるモデルを総じて指しているカテゴリーです。
だからその人気の幅は広く、新車だけではなく過去に生産が中止したモデルも多く存在しますし、中古車しかないものであっても、人気が再燃すればメーカーが現代のレギュレーションに沿った内容とし、再び生産を始めることもあるのです。
ストリートモデルの人気の指標には、先述したようにファッショナブルなスタイリングや、ツーリングのしやすさ、さらにはカスタムベースなど、ライダーの個性的なライフスタイルの表現のしやすさというのも大きなポイントです。
グーバイクでの6月度成約台数ランキングを見てみると、原付二種モデルから大型バイクまで様々な排気量のモデルが存在することが分かります。ここではベスト5にランキングしたモデルをピックアップしそれぞれの特徴や人気の秘密を探っていきたいと思います。
1978年に登場したSR400は2021年まで43年間も販売されていたロングセラーモデルです。長い歴史の間にはキャストホイールやドラムブレーキの仕様が存在したり、途中キャブレターからインジェクションに変更されるなどのモデルチェンジが行われましたが。空冷4ストロークSOHC単気筒というエンジン形式は変更されませんでした。
2000年代前後にはシンプルな車体を利用して様々なカスタマイズを楽しむライダーが増え、ストリートカスタムの指標的存在となりました。現在でもその名残はあり、中古マーケットを見るとカスタマイズが施された個体も見られます。
一方でノーマルのまま楽しまれているオーナーも多いことや、そもそも流通台数が多めということもあり、自分がイメージするスタイルに近い車両を探し出すことができるはずです。現代のバイクには無い独特なフィーリングは魅力ですし、機械的にもシンプルなのでメカニズム的な勉強にもなります。様々な用途で楽しめるということも人気の秘訣なのかもしれませんね。
過剰なカスタムがされている個体があったりノーマルでも整備が行き届いていないものもあるので、可能な限り状態を確認することをお薦めします。
世の中本当にカブだらけ、という感じがする昨今ですが、その中でも特に人気が高いのがCT125ハンターカブ(以下ハンターカブ)です。現行型ハンターカブが登場したのは2020年のことで、2018年に登場したスーパーカブC125をベースとしています。
1980年代に国内販売されていたCT110を彷彿させるハイマウント吸気ダクトやアップマフラー、アンダーガードなどを継承しトレイルバイクスタイルで纏められています。
大きなポイントとしては、スーパーカブ系ではありながらもビジネスバイクの延長ではなく、しっかりとしたモーターサイクルとして開発がなされていること。それによりライディングフィールや安全面においても安心して付き合うことができるということが挙げられます。
Ninja250R
さらには自動車マーケットにおけるSUVやクロスカントリーモデルブームからのあおり、バイクマーケットではアドベンチャーモデルやキャンプツーリングなどの人気と相まって、気軽にファッション感覚で楽しめるハンターカブが多くの人々の心を掴んでいるのです。
バイクショップで話を聞くとハンターカブに乗りたくて免許を取得するというライダーも存在し、免許を取る前に車両を購入される方や、あらかじめカスタムを行ってから納車するというケースも多々見られるとのことです。
一時は生産が追い付かないという状況もあったようですが、現在は新車、中古車ともに流通数は多く、予算から選ぶこともできるようになっていますよ。
ダックスという名称の歴史は長く、初代モデルは1969年に登場したダックス・ホンダ・ST50まで遡ります。当時人気が高かったモンキーに続いて開発されたレジャーバイクであり、フロント周りを取り外して自動車に積載できるというユニークな設計がなされていました。
その後、オフロード走破性能を高めたマイティ―ダックスやダイヤモンドフレームに縦型エンジンを採用したノーティーダックスなど様々な派生モデルを輩出、それから長い年月が流れ2022年に現在のダックス125が登場しました。
ダックスの胴長スタイルを語る上で外すことのできないアイデンティティであるT字型のプレスバックボーンフレームに、排気量123ccでスーパーカブなどと同様の横型エンジンを搭載。往年のダックススタイルを現代に蘇らせたのです。
昔のダックスはスタイル重視で少々走りの面をスポイルしていた印象を受けるのに対して、現行のダックス125はしっかりとしたライディングを楽しめる設計となっています。その証拠にツーリング先で見かけることも多く、レジャーバイクの域を超えてモーターサイクルとしてしっかりと完成したモデルになっていることが伝わってきます。
人気が高いこと、登場して年月が浅いことなどから、車両価格的には高めの相場で推移しています。逆に考えれば今買って持っていても、さほど価値は下がらないということにも捉えることができますね
ストリートカテゴリーでの6月度成約台数ランキングにおいてトップ5にランキングした唯一の大型バイクとなっているW800。そのルーツを遡ると1960年代にメグロとカワサキが業務提携を行い開発した大型モデルW1に辿り着きます。650ccバーチカルツインエンジンを搭載したW1は欧米で大ヒットを遂げ、様々な派生モデルに続いていきます。
その後4気筒エンジンを搭載したZ1にカワサキフラッグシップモデルの座を譲り、1970年代中盤には一度その名に終止符を打ちますが、1998年にW650という名で”W”のイニシャルが復活。2010年には排気量を上げたW800が登場しました。
ストリートカテゴリーでの人気車両にはクラシカルなモデルが多数見受けられますが、その中でもW800は最も長く歴史を繋げてきたモデルとして支持されていると言えます。中古マーケットでも多くの車両が流通しており、W650まで視野を広げるとかなりこなれた価格の個体もあるので、カスタムベースを前提に初期投資を抑えることもできるでしょう。
お薦めは現行モデルで、空冷ロングストロークのエンジンはそのままに新設計フレームの採用やABS、スリッパ―クラッチの装備など、クラシカルなスタイリングでありながらも現代的な仕様となっているので、ビギナーでも扱いやすいモデルとなっています。
カワサキのルーツにあたるメグロのオマージュモデルとして誕生したエストレヤをベースに、デュアルパーパスモデルとして登場したのが250TRです(1970年代の初代250TRの話は割愛します)。
なぜこのような書き出しをしたかと言うと、今ここにきて250TRが成約台数ランキングの上位に上がっているのかを考えた際、昨今のビンテージオフロードモデルやスクランブラーモデル人気があるということと同時に、先だってカワサキからメグロS1が発売されたことがあると思ったからです。
カワサキ:メグロS1
『メグロS1が出たってよ。→カッコいいけどプレミアムモデルで手が出ないな。→あれ? そういえばエストレヤって前なかったっけ?→あれトラッカーカスタムするとメチャカッコいいんだよなあ。→そういえばノーマルでカッコいい250TRというのあったな!!』という図式を勝手に考えました。
購入を考えた際、カワサキ好きであれば250TRの一択かもしれませんが、ストリートバイクのカテゴリーで同セグメントのモデルには、ホンダ・FTRやヤマハ・TW、スズキ・グラストラッカーなども存在するので(すべて絶版モデルです)それらも合わせて探してみると良いかもしれませんね。
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