掲載日:2012年07月13日 原付漫遊記 › 原チャでchacha茶
文・写真/ 野岸“ねぎ”泰之 写真/野呂瀬悦史
ブラジルタウンの中心街を離れ、Dio110でちょっと周囲を走り回ってみる。最初の印象と同じく、西小泉駅を中心に、大きな通りにはチラホラとブラジル料理店や衣料品店などが点在。小さな路地にもナイトクラブか飲み屋なのか、ちょっと怪しげな店もあったりする。さらにあちこちにあるな、と感じたのが教会だ。明らかに日本人だけが暮らす地域よりも数が多い印象。暮らしに関する看板、たとえばゴミの出し方や防犯を呼びかけるものも、東京ならハングルや中国語なんだろうけど、ここではポルトガル語が併記されている。多くの日系人の生活がすっかり大泉町に根付いているんだろう。とにかくブラジル国旗や黄色と緑のブラジルカラーが目につく。
そんな中、駅の東側の細い道で発見したのが、その名も「ブラジリアンプラザ」。ここは日本で初めてのブラジル人向けショッピングセンターだそうで、確かに建物は古い感じ。しかもちょっとディープな雰囲気で、今までの店より入りづらい感じだ。意を決して中に入ると、1階には海外向けの電化製品や日本情緒を誇張したお土産が並ぶ。和テイストのお土産は、浅草などで買うよりかなり安いんだとか。故郷のブラジルに持って帰ると、喜ぶ人がいるんだろうなぁ。2階にはフードコートや雑貨店が入っていて、お酒が飲める場所もあり、ブラジル人の憩いの場になっている。お店の人は例によってフレンドリーだから、どっぷりとブラジル気分に浸ったり、現地の人と交流したいなら、ここに通うと面白そうだ。あるいは、町の南側にある「ブラジルフットサルセンター」で、本場のフットサルを体験する、という手もある。スクールには日本人も多く通っているそうで、表面的には日本人とブラジル人のコミュニティはあんまり接点がないように見えるけど、実は探せば意外とつながっているのかもしれない。
左/「ブラジルフットサルセンター」はレンタルコートのほか、フットサル教室も開催。壁の広告に日本語ナシ!? 右/ロナウドのTシャツ発見。オーナーがブラジルの元プロサッカー選手なので、お宝がいっぱいあるらしい
町の中心部を貫く「ハナミズキ通り」。駐車スペースが斜めで、外国のような雰囲気だ
左/街灯もブラジルカラー。下の看板には日本とブラジルの絵と「LiveTogether」の文字が 右/裏通りにもポルトガル語のお店あり。そして教会の数が多い!!
左上/そのものズバリの名前「レストラン・ブラジル」。目立ってます 右上/タトゥーショップもけっこうあり 左下/ゴミ出しの注意など、生活に密着する看板にはポルトガル語が併記されている 右下/パッションフルーツやアサイーなど、南国系アイスキャンデーもあり
左上/「ブラジリアンプラザ」には海外向けのお土産がいっぱいあって楽しい 右上/2階は単なるフードコートとも違う、ちょっと不思議な空間 左下/ブラジル国旗のタンクトップ、日本人には着こなせないだろうなぁ 右下/外国人が日本に抱くイメージが誇張、凝縮されてます。でもとってもキレイ、そして安い!!
さて、この町に来たらぜひとも食べたい、と思っていたのが「シュラスコ」だ。別名ブラジリアンBBQと呼ばれるもので、串刺しにして炭火で焼いた肉をテーブルで切り分けてもらって食べる。大泉にはシュラスコの食べ放題をやっている店が何軒かあり、都内で食べるよりもかなり安いのだ。今回はTAKARAスーパーに再び戻り、店内にある「ロデイオグリル」でトライしてみた。ちなみにこのお店ではシュラスコ食べ放題は土日のみとなっている。他の店の賑わいも含め、ブラジルっぽさを求めるなら土日に訪れたほうがよさそうだ。
注文すると早速、イケメンの店員さんが豪快に串刺しにされた肉の塊を持ってテーブルにやってくる。牛肉のいろんな部位だけかと思ったら、豚や鶏の肉もあり、順番に次々と供されるのだ。味付けは基本的に塩や胡椒で、肉のうまみを存分に味わえる。口直しに時々出てくる、シナモンをかけた焼きパイナップルが、肉の脂をほどよく中和してくれてうれしい。それにしてもブラジル人は食べる量がハンパじゃない。だから、周囲と同じように勧められるままに調子に乗って切り分けてもらうと、食べ過ぎて大変なことになる。お肉以外にもサラダや煮込み料理、ピラフ、デザートに至るまでビュッフェ形式で食べ放題なので、たくさん食べられる人なら、かなりお得でオススメだ。店員さんがイケメン&セクシー美女揃いで気さくなところも、ブラジル気分を盛り上げてくれる。それにしても、自分ではもっと食べられるかと思ったのに……なんだかくやしい。
「ロデイオグリル」の店員さんたちと記念撮影。何度か通ってお友達になりたいな~!!
お店のお兄さん、慣れずにオロオロしてる日本人にも優しかった!
左上/いろいろな肉をテーブルに持って来て、その場で切ってくれる 右上/たまに出てくる焼きパイナップル。シナモンが振りかけてあって、箸休めにぴったり 左下/緑が上だと、どんどん肉を持ってこい、のサイン。お腹がいっぱいになったら赤を上にしよう 右下/ブラジルの軽食が食べられる、ロデイオグリルのケータリングカー。国道17号沿い「道の駅おおた」に出没するらしい
お腹を満たした後は、恒例のお茶タイムといこう。駅から北にDio110を走らせると、取材時にちょうど見ごろを迎えていた、花菖蒲まつりの会場に行き当たった。多くの人が見に来ていたけれど、日系ブラジル人と思しき人はいない。当然と言えば当然なんだけど、大泉町の中でブラジルっぽい雰囲気なのはほんの一部だけで、ほとんどの場所の風景は、普通の日本の地方都市と変わらない。緑が多く、利根川も近くて、歴史もある。近くの公園は、室町時代の1489年に築城された小泉城の跡だった。現在は堀の一部と土塁だけが残っているのみだけど、人々の散歩コースや憩いの場になっている。ここの広場で、スーパーで買ったマテ茶を飲むことにした。
堀と緑に囲まれた広場は静かで、いかにも日本茶が似合いそうな雰囲気。でも、そこであえて、ブラジル流に砂糖をたっぷり入れたマテ茶を飲んでみる。シュラスコの脂っぽさが洗い流され、甘さが心地いい。同時に、さっきまで異文化に触れて興奮していた気持ちが、すーっと落ち着いた気がした。お城でマテ茶、けっこういいかも。
大泉町の長い歴史の中では、ブラジル文化との付き合いはまだまだ短く、ほんの20年あまり。でも、中華街やコリアンタウンがあるように、ブラジルタウンがあってもいい。この先、この町がどう変化していくのかも気になるけど……とりあえずシュラスコをブラジル人並みにもっとガッツリ食べたいし、サンバも見たい、珍しい食材やお菓子もまだまだ買いたい。素直に「また来たいな」と思える町だった。今度は胃袋を鍛えてリベンジだ~! さて、次回はどこで「chacha茶♪」しようかな……。
左/ブラジルタウンからちょっと離れると、普通の日本。ちょうど花菖蒲が見ごろを迎えていた 右/小泉城跡は公園になっている。静かで落ち着ける場所だ
左上/マテ茶は砂糖をたっぷり入れたほうがうまい。そのまま飲むと漢方薬みたい 右上/スーパーで買ったマテ茶、ティーバッグかと思ったら葉っぱだったでござる 左下/ガラナとともにインカコーラもポピュラー。味はオロナミンCっぽい 右下/コーヒーはブラジルでポピュラーなブランドらしい。お菓子はどれもかなり甘いけど、おいしい!
歴史ある城跡でマテ茶を飲む、ってちょっと不思議な気分。でもこのハイブリッド感が大泉町にはぴったりかも
フロントマスクで大きく主張するウインカー部がとにかく目立ってカッコよく、ツーリング先でも写真映えするはず。ホイールは14インチで安定性が高く、流れの速い郊外の国道でも不安はない。メットインスペースは深めで収納力がたっぷり。それに加えてシートとほぼ高さの揃った、しっかりとしたフック付きキャリアがあるので、お土産が増えても大丈夫。お散歩マシンとしてのポテンシャルは高い。
ツーリングプチ情報
ロデイオグリル 大泉店
土日は1,980円でシュラスコ食べ放題を実施。他にもブラジル家庭料理や軽食が充実。
所在地/群馬県邑楽郡大泉町坂田3-12-10 スーパータカラ店内
TEL/0276-62-2600
営業時間/10~14時、16~20時
定休日/火曜日
ブラジリアンプラザ
所在地/群馬県邑楽郡大泉町西小泉4-11-22
TEL/0276-20-0181
営業時間/10~20時
定休日/月曜日
大泉町観光協会
所在地/群馬県邑楽郡大泉町吉田2467番地 大泉町商工会内
TEL/0276-61-2038
HP/http://www.oizumimachi-kankoukyoukai.jp/
看板娘ブログ/「えりまり@おおいずみ」
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