掲載日:2012年05月30日 原付漫遊記 › 原チャでchacha茶
文/ 野岸“ねぎ”泰之 写真/野呂瀬悦史
駅周辺でプチ・タイムトリップを楽しんだあと、さらに面白い施設があると聞いてやって来たのが、市街北側の丘の上にある「青梅鉄道公園」。ここには日本で最初に開通した新橋~横浜間の鉄道に使われた3号機関車やD51、C11などの蒸気機関車をはじめ、0系新幹線やED16電気機関車など、多くの実物車両を展示してある。いくつかの車両は運転席に座ることもでき、気が付けば鉄道少年だった子供のころのようにワクワクしながら場内を見て回っていた。特に初代の0系新幹線は子供のころ乗るたびにすごく嬉しくてはしゃいでいたのを思い出し、楽しいながらも感傷的でちょっと切ない気分になってしまった。これも一種のレトロ体感施設、と言えなくもないかな。ちなみに展示室には鉄道模型のジオラマや運転シミュレーターなどもある。まぁ本格的な鉄道マニアには物足りない子供向けの施設かもしれないけど、鉄道好きの大人が行ってもなかなか楽しい場所だと思う。それに、なんといっても安いのだ。入場料は大人でたったの100円!! いまどき缶ジュースよりも安いワンコインでこれだけの内容なら、一度は行ってみても損はしないはず。
そろそろどこかでお茶を沸かして飲もうかな、と多摩川に向かってアドレスを走らせている途中、金剛寺というお寺を通りかかった。実はこのお寺にある「誓いの梅」が、青梅という地名の由来になったという説がある。この梅は平将門がここを訪れた際に自ら地面に挿したといわれ、「私の願いがかなうなら栄え、ならぬなら枯れよ」と誓ったところ、見事に根付き、その実が秋になっても熟すことなく青々としたままであることから、この地を「青梅」と呼ぶようになったという。残念ながら時季的に実の色を確かめることはできなかったけれど、実際どうなのか、次回訪れた際にはぜひ確認してみたい。
さて、多摩川を渡った対岸の釜の淵公園付近から、河原に下りられる場所を見つけたので、お茶タイムにしよう。このあたりの多摩川は大きく蛇行していて水の色も緑色がかっており、下流で見る直線的で広々としたイメージとはかなり違う。川面の向こうに見える新緑も、都心のものとは勢いが違う気がする。青梅が奥多摩の入り口であり、やっぱり自然が豊かな土地なんだな、ということを実感できるスポットだ。
左/日本最古の蒸気機関車、110型。一部がカットされて内部構造が見えるしくみ。なにやらパイプがいっぱい 右/画面が多少カクカクするけどシミュレーターもある
左/鉄道公園だけどバイクの遊具もある。NSRタイプか? 右/こどものくに、と言いつつ現実的な料金の提示。世の中は甘くないゾ、と
ところで今回、お湯を沸かすのに初めてアルコールバーナーを使ってみた。炎が見えないので火力が弱いと思っていたら、ゴトクを風防で覆うとかなりの火力を得ることができ、あっという間にお湯が沸いたのには驚いた。用意したコーヒーは、戦後すぐに創業した老舗、キャピタルコーヒーの「夢の追想ブレンド 」。レトロな町を巡ったあとにはぴったりのロマンチックな名前だ。雑味のない、すっきりとしたコーヒーを飲みながら、川面を渡るさわやかな空気を思い切り吸い込んでみる。いつもながら、贅沢なひとときだ。同時に、青梅の町の多彩な表情を思い出す。今まで奥多摩に向かう途中で何度も通り過ぎてはいたけど、ゆっくり見て回ると懐かしいばかりでなく、なかなか奥が深い。他にもきっと、近いけど見逃している、面白い町がたくさんあるはず。次回はどこで「chacha茶♪」しようかな!?
電車を間近に見られるスポットを発見。思わず一緒に写真を撮りたくなる
鉄道公園の「デゴイチ」。D51は昭和を代表する蒸気機関車といえる。あらためて近くで見るとSLの存在感と迫力ってすごい
日本の高度成長期を象徴する0系新幹線。みんなの夢を乗せて走っていたんだなぁ
左/金剛寺の「誓いの梅」。本当に平将門が挿したのかも、と思うと感慨深い 右/江戸時代後期建造という稲葉家住宅。内部見学でかつての豪商の暮らしぶりがわかる
アルコールバーナーはコンパクトながら火力が強く、お湯を沸かすには意外と便利だ
「青梅、なかなかやるな……」。新緑の多摩川を眺めつつコーヒーを飲んでしみじみ実感
歴代のアドレスは「通勤快速」の異名を持つほど、都市の足としての評価が高い。アドレスV125Sも車の流れをリードするダッシュ力と、驚くほど安定した車体特性を持ち、お散歩ツーリングにも有利だ。郊外の空いた道でも安心してアクセルを開けることができるのは快感ですらある。ただ、L字形状のヘルメットホルダーは油断するとメットが滑り落ちるので、ぜひ改良をお願いします!
ツーリングプチ情報
青梅鉄道公園
鉄道開業90周年を記念し、旧国鉄が開設した公園。実物の鉄道車両を中心に保存、展示公開を行っている。多くの乗用遊戯機器のほか、ジオラマやシミュレーターなどもある。
所在地/東京都青梅市勝沼2-155
TEL/0428-22-4678
入園料/100円
開園時間/9:15~17:00(入館は16:30まで)
休館日/月曜日、年末年始
釜の淵公園
JR青梅駅の南西、多摩川が大きく湾曲した部分に造られた公園。園内には遊歩道や広場があり、河原ではバーベキューや水遊びが楽しめる。入園自由。
所在地/東京都青梅市大柳町1392
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