ミドルクラスのアフターマフラーの世界で、圧倒的な支持を得ているWR'S。中小排気量マシンのマフラーを知り尽くした実力派マフラーメーカーだ。Z125PRO用マフラーも、かなりの力作。エキゾーストパイプは、途中でパイプ径が太くなるコニカル形状を採用するなど、各部の作り込みも凝ったもの。それでいて4万8000円というリーズナブルなプライスを実現しているのは嬉しい限りだ。
排気音は角がとれた、太くマイルドな音質で耳に優しい。中低速域のトルクはノーマルと大差ないのだが、高回転域の爽快感はピカイチだ。このWR'Sのマフラーはハッキリと高回転型、7千回転から上のパワーアップが実に頼もしく、高いギヤでの速度のノリが露骨に違う。Z125PROのエンジンは良く伸びるが、ノーマルのトップエンドは“ただ、回っているだけ”で、パワー自体はタレてしまう。その点WR'Sの場合は、9千回転から上で“更に、もう一伸び”をみせる。天井知らずに回るから、すぐにレブリミッターに当たってしまう程だ。これだけ良く回るなら、チューニングしたエンジンに装着しても面白い走りを見せるハズ。カスタムフリークやレースでの使用を考えている人などに勧めたい、マニアックかつハイパフォーマンスなマフラーだ。
高回転の伸びが気持ちよいマフラーだから、ストレートでの全開走行が楽しい。トップエンドのパワーアップで最高速も大きく伸びた。
バックトルクがやや強めの傾向があるので、エンジンブレーキを活かしてコーナリングのきっかけ作りを心がけると速く走りやすい。
サイレンサーシェルは贅沢にチタンを使用、独特の焼け色がアピアランスを高めている。消音に必要な容量と深いバンク角を両立し、マシンの軽快なイメージを強調する、スリムでコンパクトなショートオーバルタイプ。
ショートオーバルタイプのサイレンサーは、今回テストした焼け色付き以外に、プレーンなチタンカラーがスパルタンなソリッドタイプのチタンショートオーバルサイレンサー/フルエキゾースト(4万5000円)もラインナップ。サイレンサー形状が異なるチタンオーバル/フルエキゾーストはソリッドタイプが(5万5000円)、焼け色付きが(5万8000円)。
WR'Sのマフラーで気になったといえば、やはり力強いマフラーサウンド! 迫ってくる音もヨシ、走り去る音もヨシ。これぞマフラー交換のだいご味ってやつでしょう。
●高回転のパワーを思い切り楽しみたい人
●ノーマルの特性を刺激不足と感じる人
●コストパフォーマンスの高さにこだわる人
レブリミットの先まで伸びたがる高回転型マフラー。マシンの限界性能に挑戦して、速さを引き出したいチャレンジ派にオススメ。エンジンチューニングと組み合わせても、楽しく走れるだろう。