老舗のマフラーメーカーとして、多くのライダーから愛されてきたSP忠男。同社のマフラー作りのモットーは“クラッチを繋いだ瞬間に笑みがこぼれる”こと。キーワードである“気持ちイーッ!!”を、乗り手がいつも感じられるようにと考え抜かれているのだ。Z125PRO用のマフラーでも、その思想にブレはない。走り出して、すぐに感じられるのがトルクの太さ。5千回転付近のトルクが、ノーマルに比べると圧倒的に豊かだ。この回転域は日常使用で多用する部分、そこの加速力が段違いだ。ピックアップも鋭く、スロットルをオン/オフすることが実に楽しい。中速だけでなく全域で扱いやすくパワフル。トルクの太さを維持したままで、トップエンドまで回し切るパワー特性が快感だ。
排気音は低音が効いたもので、排気量が大きなマシンのような印象。太く、歯切れ良いエキゾーストノートが響き、これがなんとも気持ち良い。だが意外なことに、周りで聞いている排気音はとても静かなのだ。ショートタイプでライダーと排気口の距離が近いせいで、走っている本人だけに排気音が届くのかもしれない。乗り手は排気音を楽しめて周囲に騒音を撒き散らさないという、走りが楽しく社会性まで高いマフラーなのだ。
回転で稼いだ馬力というよりは、エンジンのトルクで押し出す感じの加速感。無理に引っ張るより、適切にシフトアップした方が速い。
中回転域の強力なトルクを活かせば、コーナー脱出速度を高めることができる。半径の小さなコーナーでは無敵の速さを誇るマフラー。
サイレンサーは、モトGPマシンなどにも採用され、人気の高いメガフォン形状を採用。サイレンサーは大径で迫力十分だが、音量はしっかりと法規制内に収められているので安心。ショートフォルムは、マッシブなZ125PROのスタイリングに見事にマッチ。
コンベンショナルなラウンド形状の、超軽量ステンレスアウターサイレンサー仕様のPURESPORT Roundは(5万6000円)。PURESPORT Megaphone、PURESPORT Roundの両タイプ共にケイズ・スタイルのオリジナル仕様が存在し、こちらは限定のグリーンのエンブレムを装備している。
このマフラーのチェックポイントは、やはりクルクルと1回転しているところ!すごい!どうして?不思議!オモシロイ!もちろん性能にも大きく影響しているんだって!
●街乗りなど日常使用でも走りを楽しみたい人
●加速感の強さと実質的な速さを重視する人
●個性的な形のマフラーを求める人
ゴー・ストップが多い街乗りであっても、走りの楽しさを感じられる加速力が魅力。バイクに乗るのは、通勤や通学といった日常使用が多いというライダーにピッタリのキャラクターのマフラーだ。