ユーティリティの高さと優れた経済性で、大人気カテゴリーとなっている125ccスクーター。中でも、今熱い視線を集めているのがヤマハのNMAX。手頃な車格とレベルの高いハンドリング、そして力強いエンジンが魅力の完成度が高いマシンなのだ。そのNMAXの走りを、もっと速く、もっと楽しくできるパーツがある。それがSP忠男のマフラー、POWER BOX FULLだ。
大人気の125ccスクーター、ヤマハのNMAX。コミューターとして、ホビーバイクとして人気上昇中のNMAXだから、カスタマイズにもこだわりたい。そこで、大注目なのがSP忠男のフルエキゾーストシステム POWER BOX FULLだ。
「NMAXのミッションはギア比がロング側に振られていて、どちらかというと高速重視。ですからトップスピードは速いですし、高回転域は気持ちよく走ることができますが、その反面で低中速が物足りない。低回転域からトルクを太らせて、スタートから中速域までの加速力を上げると、実用域がパワフルになるので走りに余裕が出ます。狙ったのは、ソコですね」
そう語るのは、SP忠男でマフラー開発を統括する大泉善稔さん。全てのSP忠男製マフラーの開発に関わっている人物だ。その大泉さんにNMAX用POWER BOX FULLの開発秘話を語ってもらった。
「マフラーの性能を出すためには、エキゾーストパイプに適切な容量が必要です。その容量を確保するため、SP忠男ではパイプをループさせて、管長を確保する構造を選ぶ場合もあります。ですが、NMAXはエンジンサイドにラジエターがあるので、スペースの問題でループエキゾーストは使えません。そこで、パワーボックス構造を採用しました」。
精悍なNMAXのスタイリングを、スタイリッシュに引き締めるPOWER BOX FULL。エキゾーストパイプは耐久性と強度に優れるステンレス製。ポリッシュ仕上げによる独特の光沢が、マシンの質感を向上させる。
複雑なラインを描くエキゾーストパイプ、全ては性能の追求から生まれた必然の形。サイレンサー近くで、テールパイプに寄り添うように設けられているのが、このマフラーの核心部分である”POWER BOX”だ。
“パワーボックス構造”とは、SP忠男の独自技術。エキゾーストパイプに膨張室を設け、容量を稼ぐメカニズムだ。また、膨張室の容積や設置する位置によって、様々なパワー特性を作り出すことも可能。まさに“力の箱”であり“POWER BOX”とは、よく名付けたものだ。大泉さんは、こう続ける。
「NMAXのノーマルマフラーは、とても完成度が高い。ノーマルを超える性能が、なかなか出せませんでした。まず、加速力が上がらなかった。加速が良くなったら、高回転のパンチがなくなってしまったり……。エキゾーストパイプの取り回し、パイプ径、パワーボックスの位置、サイレンサーの構造や容量といった要素の調整を何度も繰り返して、ようやく狙った性能にたどり着きました。排気音量を抑えるのにも苦労しましたね、音量を落とすとパワーが出ないんです。NMAXは、通勤や通学に使われるユーザーさんが多いモデルですから、うるさいマフラーではいけないと考えました。開発には本当に苦労しましたね」
ここまでで、NMAX用のPOWER BOX FULLが、かなりの力作であることが分かるだろう。それでは、実際に走っての感触をお伝えしよう。まず、エンジンを始動すると、アイドリング状態での排気音はノーマル並。アフターマフラーとしては拍子抜けするほどの静粛性だ。だが、スロットルを開くと名門SP忠男のスペシャルマフラーであることを、すぐに実感できた。なにしろ、ゼロ発進からの加速が断然良い。ノーマルマフラーの場合、スロットル全開のまま速度が上がるのを待つと30~40km/hのあたりで回転上昇が鈍るのだが、POWER BOX FULLはそうした中だるみを感じない。
中間域の加速が良いから、速度のノリも良い。アベレージの速い幹線道路でも、モタつくことなく流れをリードできる。ちなみに、クローズドコースでのテストでは、最高速も4~5km/hアップしているとのこと。走行中に届く排気音は、全域でジェントル。これなら、騒音をまき散らして周囲に気を遣う心配もないだろう。そしてなにより気に入ったのはトルク特性。スロットルを開閉するだけで、思った通りに車速が変化するので、走りが実に痛快だ。
試乗を行ったのは都市部。信号によるゴー・ストップが連続し、交通量も多い道路。そんなストレスのたまる条件下でも、POWER BOX FULLが着されたNMAXの走りは痛快極まりないものだった。
「レース用のバイクじゃありませんから、普段街中を走る時に性能の違いが体感できなければ意味がありません。POWER BOX FULLは、そうしたシチュエーションで走りの良さが味わえるように仕上げたマフラーです。毎日の通勤や通学を楽しんで走って欲しい。実用域の加速とレスポンスが上がっていますから、マシンを自在に走らせられる。周りの車との距離をコントロールしやすいので、安心感にも繋がると思います」
日常での走りが速く、そして楽しい。NMAXというバイクのキャラクターを的確に捉え、その魅力を最大限に引き出す。SP忠男のPOWER BOX FULLは、そんなマフラーなのだ。
NMAX用のPOWER BOX FULLは、キャラクターの異なる3タイプ6モデルがラインナップされている。POWER BOX FULL “S”タイプのネーミングにある“S”は、ストリートの“S”。市街地や街乗りでの、トルク特性を重視したマフラーで、今回試乗したのも“S”タイプだ。POWER BOX FULL “R”タイプは、より高速域での性能を重視したマフラー。アベレージスピードの速い、幹線道路などを走る機会が多いユーザーには最適のキャラクター。POWER BOX FULL “Silent Version”は、 大容量のオーバルタイプのサイレンサーを採用し、より静粛性を重視したマフラー。もちろん、性能は他のモデルに劣ることはない。全てのタイプで、サイレンサーはステンレスとチタンブルーの2種類が選択可能となっている。
POWER BOX FULL ”S” ステンレス 価格6万6,800円(税抜) 音量 82db(近接)/78db(加速) 政府認証マフラー
装着状態でオイル&オイルフィルター交換、センタースタンドの使用可能。街乗り重視の”S”タイプ。
コンベンショナルなラウンドタイプの、ステンレスポリッシュサイレンサー仕様。専用エンブレムはブラック。
テールパイプから分岐している円筒状のパーツがPOWER BOX。膨張室のサイズや取り付け位置により性能が変化する、マフラー性能の鍵となるパーツだ。
エキゾーストパイプは、排気ポート直後で複雑なカーブを描く。限られたスペースの中で、最も効率の良いパイプレイアウトを追求した形だ。
POWER BOX FULL “S” チタンブルー 価格9万6,800円(税抜) 音量82db(近接)/78db(加速) 政府認証マフラー
装着状態でオイル&オイルフィルター交換、センタースタンドの使用可能。街乗り重視の“S”タイプ。焼け色のグラデーションが美しい、チタンブルーサイレンサー仕様。
POWER BOX FULL “Silent Version” チタンブルー 価格9万6,800円(税抜) 音量79db(近接)/77db(加速) 政府認証マフラー
装着状態でオイル&オイルフィルター交換、センタースタンドの使用可能。静粛性を向上させた“Silent Version”タイプ。
オーバルタイプの大容量サイレンサーの採用で静粛性アップ。焼け色のグラデーションが美しい、チタンブルーサイレンサー仕様。
POWER BOX FULL “Silent Version” ステンレス 価格6万6,800円(税抜) 音量79db(近接)/77db(加速) 政府認証マフラー
装着状態でオイル&オイルフィルター交換、センタースタンドの使用可能。静粛性を向上させた“Silent Version”タイプ。ステンレスポリッシュサイレンサー仕様。
POWER BOX FULL “R” チタンブルー 価格9万8,800円(税抜) 音量82db(近接)/76db(加速) 政府認証マフラー
装着状態でオイル&オイルフィルター交換、センタースタンドの使用可能。高速性能重視の“R”タイプ。サイレンサーはラウンドタイプ。焼け色のグラデーションが美しい、チタンブルーサイレンサー仕様。エンブレムはレッド。
POWER BOX FULL “R” ステンレス 価格6万8,800円(税抜) 音量82db(近接)/76db(加速) 政府認証マフラー
装着状態でオイル&オイルフィルター交換、センタースタンドの使用可能。高速性能重視の“R”タイプ。サイレンサーはラウンドタイプ。ステンレスポリッシュサイレンサー仕様。エンブレムはレッド。
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