
アドレスV125シリーズの後継モデルとして、2017年9月29日に発売されたアドレス125のとくに注目したいポイントは、高いコストパフォーマンスである。利便性の高い装備や燃費の良い新型エンジンを投入したにも関わらず、前モデルよりも2万円以上もプライスダウン。初期投資を安く、さらに維持費も抑えられるこの1台は、通勤・通学に最適な相棒なのである。
アドレス125で東京の街を走ってみた。時間は朝8時。ちょうど通勤・通学のクルマ、バイク、自転車がビュンビュンと行き交う時間帯だ。ルートは東京都小平市(ベッドタウン)から新宿区の都庁周辺(都心)まで、約20キロの道のりである。
まず感じたのが、加速性能の良さだ。ストップ&ゴーの多い街中では、どうしてもストレスを感じてしまうもの。しかしアドレス125の場合はそれを一切感じない。クルマやビッグバイクの流れに乗るどころか、高い機動力を発揮してそれらをリードできるほど。
細い道やコーナリングでも軽快なイメージは変わらない。キビキビとした走りができるので、自分だけが知っている裏道も気兼ねなく進むことができる。
アドレス125は走りだけではなく、通勤・通学に便利な装備も充実している。シート下に2箇所設置されたヘルメットホルダーは、左右どちらにもヘルメットが掛けられるので狭い駐輪場で重宝するし、フロントインナーラックは間口が広く、コンビニなどへ立ち寄った際にグローブを入れておくのに便利。実際に多くの装備を利用してみたが「これは使い勝手が良い!」というのが正直な感想だ。
もちろん通勤・通学だけではなく、プライベートでも気軽に使えるコミューターとして活躍するだろう。「街中の移動はスムーズに走りたい」というライダーは、ぜひチェックしてほしいスクーターである。
アドレス125はレスポンスの良い「SEP(スズキ・エコ・パフォーマンス)」エンジンを搭載しているので、加減速が多い道路でもスムーズに走行できた。さらにエンジン音が静かで振動もほぼ感じなかったのも印象的。出発時に近隣に迷惑がかからないのは嬉しいポイントだ。
エンジンを切って歩道を押し歩いてみた。アドレスV125シリーズよりも車格や重量が増してはいるが、それでも女性が苦に感じることはないだろう。むしろ車体が大きい分、長距離走っても疲れにくいし、ゆとりある走行ができる恩恵の方が大きい。
フロントにはかばんホルダーを装備。大型サイズのフックには持ち手が太いビジネスバッグも容易に掛けることが可能だ。フックはストッパー付きなので、走行時のはずみで荷物が外れることもない。使わない時は折りたたんで格納することもできる、便利な装備である。
リアキャリアは、たとえば仕事終わりに荷物を積載し、ちょっと遠回りや寄り道をしたい時に重宝しそうだ。パイプは太めてスタンド掛けをする際にも掴みやすい。取り回し時のグリップや、パッセンジャーのグラブバー代わりにも最適である。オプションのトップケースを装着できるよう配慮されている点にも注目したい。
シート下には、ヘルメットがすっぽりと入る容量約10リットルのトランクスペースを装備。仕事帰りにスーパーやコンビニに寄って多少の買い物をしても問題はない。たとえ荷物がいっぱいになっても、かばんホルダーやリアキャリアもあるので安心。
通勤・通学をするライダーにとって、購入前に確認しておきたいのが燃費だろう。アドレス125の燃費消費率は51.0 km/L(クラス1・1名乗車時・WMTCモード値)。容量6リットルの燃料タンクと相まって航続距離は長い。ガソリンスタンドへ行く頻度が少なくなるのは嬉しい。
■エンジン形式= 強制空冷4サイクルSOHC2バルブ単気筒
■総排気量= 124cc
■最大出力 = 6.9kW(9.4PS)/7,000rpm
■最大トルク = 10N・m(1.0 kgf・m)/6,000rpm
■トランスミッション = Vベルト無段変速
■サイズ = 全長1,900×全幅685×全高1,135mm
■車両重量 = 109kg
■シート高 = 745mm
■ホイールベース = 1,285mm
■タンク容量 = 6.0L
■Fタイヤサイズ = 90/90-12 44J
■Rタイヤサイズ = 100/90-10 56J
■価格(消費税込み) = 22万1,400円
電話/0120-402-253
時間/9:00-12:00、13:00-17:00